死ぬか否か
小春達は城目指して、山の中を駆けている。小夏は血を流し、意識がない状態で、それを小春が背負いながら走る。
城に着き、速いからという理由で塀を登り、『六郎』に履き物を整えろと言われながら、『幸村』のあとを追い、よく日の当たる部屋に着いた。そこには既に布団が引いており、『幸村』に「そこに寝かせておくんだ」と言われ、小春は小夏を布団の上に寝かせた。
「小夜を呼べ。」と『幸村』は『六郎』に命じて、自身は傷を改めようと小夏の服を脱がせようとした。
「お館様!?そのようなことはせずとも…!」
「ちょーっとお待ち下さい!!小夏は女です!意識がなくても恥はきっとあります!!」と、もう一人の『六郎』と小春に引き止められ、『幸村』の前に小秋と小冬が立ちはだかり、傷を改めるのは三姉妹がやることにした。
「脇腹辺りに傷があります。弾丸は抜けていますが血が外に抜け過ぎています。どうにかしないと小夏が…!」小春は焦りに焦ってブツブツと独り言を呟いていたが、そこへ、数人の女が入ってきた。
「小夜か。重傷者がいる。頼めるか。」
「承りました。…どうやら女の方のようですね。殿方は席を外して貰えないでしょうか?」
「…相分かった」
返事をしたら、『幸村』は2人の『六郎』とともに部屋を出ていった。
「出ていきましたか…。改めまして、小夜と申します。治療を仰せ仕りました。」と小夜は挨拶をした。
「小春にございます。隣は小秋と小冬。横になっているのが小夏です。」と小春も挨拶をし、小秋と小冬も会釈をした。
「よろしくお願いいたします。後ろに控えている者達も手伝わせます。早速始めましょう!」
こうして、小夏の治療が始まった。
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小夏の治療・看病をしたり、実はあの部屋は『幸村』が使っていた部屋だと知りお詫びを行ったり、一行の忍『佐助』や『六郎』が様子を見に来たりして、あっという間に4日が経った。