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1.さらば貴族、さらば父上




15歳の春、僕は教会にいた。この国「セブンスティア」では15歳の春に洗礼の義と呼ばれる成人の儀式が教会で行われる。そこで神官からジョブと呼ばれる適正職を伝えられ、その後の人生が決まっていくのだ。


「では、ゼン・リッターよ。神託をお告げします。」

「はい、よろしくお願いします。」


「頼む、最低でも戦闘系ジョブを…」

後ろを見るとそう言いながら手を合わせ祈りを捧げる父と母がいる。

僕の家計は一応貴族である。大したお家柄ではない、いわゆる下流貴族というものだ。先代のリッター氏が戦で戦功をあげ、下流貴族の仲間入りを果たした。

今の当主である父はそこそこの実績を残してはいるものの、目立った戦果はあげていない。その為息子の僕、弟のダンに対する期待は相当なものだ。いい迷惑だけど。


「ゼンよ、貴方のジョブは…」

表情が曇り、伝えずらそうな顔をしている。

あ、終わったなと思った。さらば貴族、さらば父上。

「道化師…です。」

「何かの間違いだろ!!!!我がリッター家からそんなハズレジョブが!出るわけがない!!!!!!」

「間違いありません。神託により告げられたジョブは道化師です。では次の方」

崩れ落ちる両親を僕はどこか冷めた目で見ていた。昔から愛情を感じたことはない。リッター家としての跡継ぎとして可愛がられてはいたけども。今回の成人の儀ではっきりした。僕は、僕自身は愛されていなかったんだな、と。それでもショックを受けているということはどこかで期待してしまっていたのかもしれない。息子であればどんなジョブでも受け入れ、愛してくれると。それが家族だと。



成人の儀を終え家に戻ると父から早速言い渡された。

「ゼンよ、今日をもってリッター家の名を語ることは許さん。見舞金は持たせてやる。何処へでも行って好きにしろ」

「ありがとうございます、父上。今まで育ててくれた恩、忘れません。お元気で。」

必死に涙を堪え、僕はそう伝えると、翌日15年間住んだこの家を出ることにした。

さらばリッター家。さらば貴族。

初めて書きますので至らない点多々あると思いますがよろしくお願いします!

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