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情報収集と検査 パート2

 それから俺は上野の大きな病院へ行った。

 特別な場所なのか、患者さんとかは居なかった。ただエレベーターに乗った時、階数を押すときだけ見せてくれなかった。上か下か、どっちに進んでいるのか分からないエレベーターだった。

 降りた場所は、普通の内科の診察室のようで、俺は椅子に座ると、白衣の先生?が座り、看護師か助手の様な人が後ろに控える。俺の後ろに河口さんが腕を組んで立っている。

「では、一通り検査やっていきましょうか。今回もあまり時間をかけないでさっさと終わらせるのでよろしいですか?」

「ああ、構わない。こいつも時間が惜しいからな。3時間で全てを終わらせろ。」

「分かりました。では、胃カメラなどもあるので、麻酔で寝ている間に全て終わらすといたしましょう。」

「えっ?怖!なにそれ、早くねえ?」

「おめえ、情報、早く欲しいんだろ。覚悟してきたんなら、いい加減観念せいや。」


 俺は渋々麻酔の為、腕を出した。医師は、注射器を刺しながら聞いてきた。

「では、麻酔が効いてくるまでお聞きします。貴方の身体で最近の違和感のある場所などはありますか?...ここで調べた内容は世間一般には一切出ませんので安心して下さい。だから、お名前も聞きませんよ。」

「えっと、耳のピアスが取れません。あと、首から肩の痣が消えません。それと、こぶが引きません。痛くはないけど。それくらいですかね。」

「なるほど、結構ありますね。」

医師はそう言って注射器を置くと、俺の瘤付近を覗く。

「あー。瘤ってここですか。髪の色が変わってますよ。5百円玉位の範囲で白くなってます。」

ーーーーなんだよそれ。気付かなかったよ!まあ、後ろの方だから見えなかったのかーーーーーー

と、思いながら俺は眠りに落ちていった。

 

 俺は約2時間後に目を覚ました。あの診察室の椅子から移動したようで、広い部屋の真ん中にある簡易ベットに寝かされている。

 周りには色々な機器が並び、ここで自分が本当に短時間で検査を完了したんだなぁーと気づいた。

その後体力測定を軽くしてから、検査結果を聞いた。

 

 その結果に俺は愕然とした。

まず、右耳のピアスは完全に俺の一部になっていた。

ピアスの一部を削り、成分分析したかったが、硬くてそれも出来なかった。そこから根の様なものが人体内部を通り、こぶのところまで伸びて、500円玉大の白髪まで続いていた。白髪は採取できたので、今後の研究にまわすそうだ。

 あと右手の握力が左手の倍になっていた。背筋も右の方だけ1.5倍アップした。


ーーーなんだこれ?俺、改造されちゃった?

改造人間○○ライダーかよ!ーーーーー

「まあ、あのでっかい銀色の玉がピアスに収まったのからして常識外れなんだし今更だろうな。」

河口さんはさらりと言った。

腕力も神の変色も、実際にどんな働きがあるのかまだわからない。

 「河口さんは、まるで分ってたみたいですね。何故です?」

「そんなに多くはないが、他にも見てるからな。」

肩をすくめてそう言った。

「でも具体的な能力は、力を手に入れたその時に本人が何を望んでいたかによるらしい。」

ふと、笑い、

「君は、その時何を考えていた?」


・・・あのとき、俺は自己都合の退職した直後だった。ワンマン社長の考えを読み取ろうと、3年間疑問に思いながらも必死でついていこうと、自分を誤魔化しつつ、それでも最後には切り捨てられて人間不信になった。周りも助けてくれるものが居なくて自分がゴミの様に退職する様に仕向けられたっけなぁー。

・・・ああ、俺、寂しかったのか。

空っぽだった自分がその時何を思っていた?


「さて、それはそうと、入間 新次郎の情報手に入ったぞ。早速いくか?」

「・・・どこへ?」

「今、入間の居るところ。」


さて、それからタクシーに乗り、首都高を通り東京タワーのすぐ脇を通った所で、あるビルの地下駐車場に入る。どうやらホテルの中らしい、一室の部屋に着いた。

「ここは、入間が今晩宿泊する部屋の隣りだ。君の能力で、近くまで寄れば直接探れるんだろう?後は君が調べたらいい。」

 そう言って河口さんは、帰っていった。入間議員の宿泊する隣りの部屋を用意してくれたのだが、まだ夕方の5時だ。今晩、接触出来るだろうけどいつまで居ればいいんだ、俺今日帰れるのかな?

 とりあえず母にLINEする。

ーー友人の所に今日泊まるので、心配無用。ーーと、母からは、ニヤリと、笑った変なキャラクターのスタンプが届いた。

ーーーあーなんか勘違いしてるし。やだなぁ〜明日帰ってからが怖いわ。


 とりあえず、買い出しだ。近くのコンビニで夕食とビールを購入し、東京タワーを眺めつつホテルの入口近くにあるベンチに座る。


 風花の記憶にある父親の顔は一見して思慮深い真面目そうな人物の様な見た目だ。だが、風花側からしたら、恨み辛みの塊りなのか、母親を裏切った悪者と認識してるようだ。

 風花を妊娠した母を振ってまで、今の奥さんと結婚してその父親の財力と権力で、今の政治家としての権力を手にしている。ーーーと、そこまでは風花の知識として分かっている。

ーーーさて、風花の旦那の事故はコイツに関係してるのだろうか?



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