表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

間話 タワー君と、ドーム君。

 「あー。河口さんお帰りなさい。」

「おう、2人ともご苦労さん。」

 多賀君と別れた河口さんは、いつもの飲み屋にやって来た。あの時打ち上げをした居酒屋だ。

 その時関わったタワーと、ドームが先に飲んでいた。

「どうでした?多賀君。検査したんでしょう?」

「あ〜どうもこうもないわ。本人、まだピンと来てないみたいでな。その時何を願っていたかって聞いたらよ、首傾げてたわ。」

「あらまあ。」

 そう言って、タワーはくいっと焼酎をのむ。

「まあ、そう言う自覚なしってのもありだろうね。私の時は、希望が明確だったからそりゃあ、わかりやすかったけど。」

「それを言ったら、ワイの方や。」

と、ドームは言う。

「ドームで投げられるような投手になりたいってな。単純やろ?けどおまえは、ちと違うやろ。タワーにロッククライミングしたいからって、警察捕まんない様に、姿を消したいなんてよ。クライミングするのは、本来の自分の能力だってんだから、捻くれてるっていうかなんていうか。」

「そんな事ない。クライミングは自分の力でやるのが面白いと思ってたからだよ。お前は、あの時腕折ってたんだし、強く投げたいと願ったんだろ?その時たまたま思ってた事なんだからさ。」

 河口さんが、ため息ついて、

「まあ、あいつはそれなりに強いわ。伊達に3年間非情な上司に付いていただけはある。必死に上司の心を読もうとと考え続けていたのだからの。だから、人の顔色を伺う癖がついているし、それで裏切られのだから、人間不信にはなっとるが、中々諦めは悪いと思うぞ。」

 「河口さん、すっごく調べてんすね。」

「まあ、その社長、知ってる奴だからな。過去3年の間に営業が、8人も辞めておるよ。小さな会社で営業は、その社長の他は1人しかいないのにな。」

「中々っすね。」

「そうだな。」

「で、どうします?多賀君困ってるんでしょ?手助けしますか?」

 河口さんは、しばらく考えてから、言った。

「自分の能力がわからないんでは、今回は放っておくしか無いかもな。困難に必死で立ち向かわなければ、力の開花は、無いだろし。ギリギリまで手出し無用だな。」

 そう言って、その話題はお終いになったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ