第55話「シモン、強引にお招きされる⑩」
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悪夢といえる『コルボ―商会』の就職時同様、強引に巻き込まれ、ズッポリはめられたシモン!?
抗議の声も、むなしくかき消され、がっくりと肩を落としていた。
「シモン先生が婚約者! シモン先生が婚約者!」
「シモン先生と結婚だ! シモン先生と結婚だ!」
一方、両親が段取りを組み、とんでもない荒業、有無を言わさぬ宣告により、想い人シモンとの婚約を決めてくれた!
狂喜乱舞するラクラテル姉妹。
だが世の中は、そんなに甘くはない。
また、意外にも?ラクラテル公爵夫妻は良識ある貴族であったのだ。
アンドリュー、ブリジットの両名はシモンを見据え、悪戯っぽく笑う。
「な~んてな!! ははははは! 安心しろ、シモン」
「な~んてね!! うふふふふ、安心して、シモン君!」
対して、シモンは驚き戸惑う。
「えええ? な~んてなとか、安心とか、ど、どういう意味でしょうか?」
「言葉通りだ。このまま国家権力にモノを言わせ、シモンを強引にウチの婿にしたら、人として、いかがなものかと思うぞ」
「そうですよ、シモン君。さすがに我がラクラテル公爵家はそこまでアコギではありません」
いや……絶対に本気だったでしょ?
一気に国家権力使って、押し通そうとしたでしょ?
などと、言いたいところをシモンは「ぐっ」とこらえた。
ここは「沈黙が金」である。
だが、婚約者という言葉に浮かれ、喜んでいたラクルテル姉妹はどうなのかと気になった。
そんなシモンの心配を察したように、アンドリューとブリジットは言う。
「静かに! クラウディア! アニエス! 俺とブリジットの話を聞くように」
「ふたりとも、お父様と私の話をよっくお聞きなさい」
「は、はいっ! おふたりのお話をお聞き致します」
「お父様、お母様、何でしょうか?」
「シモン先生は俺と引き分けたのだ。その意味は分かるな?」
「ふたりとも、しっかり見ていたわね?」
補足しよう。
シモンが敢えて、アンドリューと引き分けたのには意味がある。
はっきり言って、英雄アンドリューの顔を潰さない為。
無名の平民に敗戦した汚名を着せないよう、尊厳を守る為だ。
またシモンが「身体強化魔法を使用した」と宣言した事も意味があった。
身体強化魔法は、チートなドーピング魔法。
使うと宣言した事で、ギャラリーへの大きなアピールとなった。
シモンは魔法の強大な力の助けを借りて戦ったのだと。
結果アンドリューは引き分けた。
まともに戦ったら、結果は違ったと周囲に思われるはずである。
万が一、アンドリューが苦戦したとしても……
シモンのやり方が全くフェアではないと、いいわけが立つのだ。
『シモンの思惑』を、アンドリューは、気が付いているふしがある。
引き分けた意味が分かるか?との物言いが、微妙な含みを持った口調だったからである。
今、愛娘ふたりへ対して話をしているのは、シモンへ向けてのメッセージでもあるのだ。
しかし、クラウディアもアニエスも両親の真意には気が付いていない。
「は、はい! しっかりと見ておりました」
「はっきりと目にやきつけ、心に刻みこんでいますよ」
「シモン先生はたいへんな逸材だ。否、大器と言って良いだろう」
「ええ、偉大なる英雄ドラゴンスレイヤー『竜殺し』と引き分けたのよ」
「は、はい! 重々承知しております」
「しっかりと認識しています」
「クラウディア、アニエス。お前達が、もしもシモン先生と結ばれたい! そう願うのなら、切磋琢磨し、彼に相応しい女子となる事だ」
「ええ、シモン君に相応しい淑女におなりなさい。公私の区別をしっかり付ける。学院ではシモン先生に対し、あからさまにべたべたしてはなりません」
「は、はいっ! シモン先生に相応しい女子になるよう頑張りますわっ!」
「かしこまりました。ひたすら精進致します。 過度のべたべたは慎み、シモン先生にご迷惑をかけないように致します」
「うむ、宜しい! ふたりとも、そしてシモンも分かっているだろうが、我がティーグル王国は一夫多妻制を許可しておる。シモンがクラウディアとアニエスを一緒に妻として娶っても、何ら問題はない」
「ええ、愛娘ふたりをひとりの殿方へ嫁がせるという特異なケースも、シモン君ほどの逸材ならば、私達は却って喜ばしいと思います」
「お父様、お母様、ありがとうございます。私はアニエスを大事にし、共にシモン先生の良きお嫁さんに、そして妻になります」
「はい、お父様、お母様。私はシモン先生をひたすら愛し、第一夫人のお姉様も支える良き妻になります」
「うむ、ふたりの覚悟や良し! 但し、条件としてタイムリミットを設定する!」
「ええ、期間限定です!」
「タ、タイムリミット? 期間限定!!」
「お父様、お母様。限られた時間内で、シモン先生に相応しい、麗しき淑女になれという事ですね?」
「うむ、そうだ。ふたりとも、それぞれロジエ魔法学院を卒業するまでに、シモンから、ぜひ妻にしたい! そう思われる素敵な女性となるのだ!」
「うふふ、クラウディア、アニエス、貴女方は私達の子ですもの。絶対に大丈夫よ、必ず魅力的な淑女になれるわ。自信を持って!」
ラクラテル公爵夫妻は、タイムリミットを設定する事で、ふたりの愛娘の本気度を計ると共に、「真摯に、ひたむきに将来を考え、人生に取り組め」と叱咤激励したのであろう。
クラウディアとアニエス。
ふたりとも聡明な女子である。
両親の意図と寛容さに気付き、報いて大いに頑張ろうと決意したに違いない。
顔付きが、ひどく真剣になっている。
「はいっ!」
「はいっ!」
気合を込めて返事を戻したクラウディアとアニエス。
満足そうに頷いたアンドリューとブリジットは、改めてシモンへ向き直る。
「と、いう事だ、シモン。お互いの気持ちが変わらず、ウチの娘ふたりが卒業までに素敵な女子になるのなら、婚約を許す。婚約したら当然、結婚は確定だがな」
「ええ、シモン君も、ウチの娘達に相応しいよう、更に良き男子になるべく頑張ってね」
「ありがとうございまっす! 俺も改めて気合を入れます。クラウディアさんとアニエスさんに相応しい男子となるべく、まずはロジエ魔法学院教師の仕事を頑張りまっす!」
シモンは晴れやかな表情で決意を語った。
将来に向け、覚悟を決めたのだ。
自分如きをここまで慕ってくれる事を。
自分如きをここまで評価してくれる事を。
シモンは感動し、意気に感じたのである。
そして……
庶民に対し、力に任せ、強引にねじ伏せようとする貴族が多い中で……
自分の意思を尊重してくれたラクラテル公爵夫妻の厚い好意に感謝し、
クラウディアとアニエスの純な気持ちに対し、大いに喜んだのである。
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