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第52話「シモン、強引にお招きされる⑦」

東導 号 書籍化作品

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 ラクラテル公爵邸室内練武場……

 ひとつの古ぼけた渋いエール樽に……

 シモンと若き男子騎士が手をつかみ合い、板面にひじをつけ、立っていた。

 

 その周囲を、野次馬と化した黒山の人だかりが取り囲んでいる。

 シモン達ふたりへ、熱い視線が注がれていた。


 静寂と歓声が交互にやって来る。

 そんなひと時であった。


 どぅむ!


「ぐあっ!」


 わあああああっ!


 どむぅ!


「きゃ!」


 わあああああっ!

 

 どむっ!


「ぐお!」


 わあああああっ!


 どうん!


「ぎえ!」


 わあああああっ!


 どむ!


「うっ!」


 わあああああっ!


 結局、挑んで来た若手騎士男女計10名は、シモンにあっさり瞬殺された。

 瞬殺といっても、命を()けた試合ではない。

 

 だが腕相撲でも、真剣勝負。

 腕をねんざしたり、不幸にも折る可能性はゼロではない。

 

 シモンは、あっさりと勝ちながら、相手に気を遣う余裕があった。

 若手騎士10名にかすり傷ひとつつけず、10連勝したのである。


 さあ、モブ敵クリアー。


 次は小ボスだ。


 小ボスは入隊して10年目くらいの中堅騎士である。

 30歳前後の男性騎士5名だ。

 半分くらいは独身らしく、若手騎士同様、嫉妬心からシモンをギラギラと燃える目でにらみつけていた。


 残りの半分は、若手騎士10名に圧勝したシモンを、驚きと賞賛の目で見つめている。

 彼等の放つ波動が言葉になり、シモンへ伝わって来る。


 やるじゃないか!

 とか、

 最近の先生は結構強いんだな!

 とかだ。


 淡々とした表情で若手騎士を退けたシモンの口角がわずかにあがった。

 最初は面倒で逃げ腰だったシモンが開き直り、勝負に集中すると、楽しむ余裕が出て来たようである。


 小ボス達との勝負が始まった。

 しかし、結果は同じであった。

 あっという間に5名の中堅騎士は敗れ去る。


 小ボスクリアー。


 ……ここまで来ると、勝負を見守る審判役『ラスボス』アンドリュー・ラクラテル公爵の表情はガラリと変わっていた。

 さすがに配下の騎士達が敗れ去る瞬間に渋い顔はするのだが……

 シモンがあっさり勝ち進むのを感心したように見つめていたのだ。


 そして妻ブリジットとふたりの愛娘クラウディアとアニエスは、シモンをうっとりした目で見つめていた。


 さて次は中ボス。

 騎士隊の副隊長である。

 だが……結果は同じ。

 中ボスクリアー。

 

 そして大ボスは、騎士隊の隊長。

 これまた結果は同じ。

 あっさりシモンの圧勝である。

 大ボスクリアー。


 そしてダミーボスは、アンドリューの片腕といわれる王国軍将軍。

 こちらもあっさりシモンの勝ち。

 ダミーボスクリアー。

 

 ここまで来ると……

 敗れ去った本人達を含め、ギャラリーの誰もが、シモンを驚愕の眼差しで見つめていた。


 唯一……

 ひどく真剣な眼差しで見つめている者が居た。

 公爵アンドリューである。

 もはや表情を全く変えず、強敵とあいまみえる戦場へ臨むような緊張感を持っていたのである。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 樽が磨かれ、清掃されている間、シモンは軽くストレッチを行っていた。


 さあ!

 いよいよ『ラスボス』アンドリューの登場である。

 だらららら、どこかで聞いたようなフルオーケストラの荘厳な音楽が流れて来た……ような気がする。

 逃げても、逃げても、回り込まれてしまう、逃げられない!!

 そんな気がする……


「シモン君、驚きだ。王国最強をうたう我が配下達に、ここまで圧勝するとは」


「はあ、たまたまです」


「たまたまではない。審判役として見届けた全ての勝負、まぐれや偶然なものなど、皆無だ」


「そうですか?」


「そうだ! 俺の配下で手を抜く者など、誰ひとりとして居ない。全員真剣に君へ挑んだ」


「成る程、それは光栄です。本当にありがとうございます」


 ここで妻のブリジットが大きな声で言い放つ。


「お~い! みんなぁ!! シモンさんも正々堂々と戦い、約束を守っていましたよぉ!!」


 ブリジットは更に話を続ける。


「シモンさんの体内魔力の高まり、放出が一切ありませんでしたから! そして特別な動きもなかった。つまり魔法やスキルを一切使っていません。魔法使いの私が保証しますっ!」


 おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!


 奥方ブリジットのナイスな補足説明にどよめく騎士達。


 アンドリューも愛妻の言葉を聞き、大きく何度も頷いた。


「むううう……シモン君の常人とは思えないそのパワーとスタミナ。学院理事長アレクサンドラ・ブランジェ伯爵によれば、君は去年と少し前までは線が細い、単なる苦学生だったというではないか」


「はあ、確かに線が細い、単なる苦学生でしたね」


「そのシモン君が、一流のトレジャーハンターとして、この王都へ名を馳せ、今私達の目の前で実力の一端を証明してみせた。一体君の身に何があったのだ?」


「はあ、まあいろいろと……」


 さすがに……

 パワハラ、モラハラ、暴力と、死への恐怖……

 3拍子どころか、4拍子揃った地獄の研修をクリアしたからです。

 ……とは言えない。

 単なる自慢になる。


 さすがに……

 給料がろくに支払われず、搾取されまくり、こきつかわれたからだとは言えない。

 単なる愚痴になる。


 さすがに……

 オーガ、グリフォン、ドラゴンを倒したから、皆さんなんか、楽勝です。

 ……とは言えない。

 (おご)り高ぶる最低な奴だと思われ、超が付く嫌われ者となる。


「ふふふ、やはり奥ゆかしい。ブランジェ伯爵が太鼓判を押すわけだ」


「はあ、ありがたいです」


「よし! 決めた!」


「何をです?」


 もしかしたら、「世界の半分をお前にやろう」などと……

 どこぞの魔王のセリフを言われるかと思えば……

 やはり、違った。


「シモン君。私アンドリューとの勝負は腕相撲ではなく! ガチの模擬試合を行うぞっ!」


「はあ、そうっすか……ええええええええっ!? ガ、ガチの模擬試合っ!?」


「そうだっ! 悪いが約束を破るぞ! すぐに支度をしろっ!」


「はああああああ……そうっすか」


 とんでもない展開となり……

 思わずシモンは大きなため息を吐いていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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