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第5話「ダークサイドにはめられた!①」

◎新連載です!

ご愛読と応援を何卒宜しくお願い致します。

本日2/5は段階的に5話更新致します。

以降の更新は随時です。

毎日1話更新が目標ですが、力尽きたら申しわけありません。

出来うる限り頑張ります。

引き続き、追っかけてください。

お読みになりましたら、ぜひ『ブックマーク』と『評価』をお願い致します。

 ブグロー部長の言う通り……

 まだ夜が明けない早朝、ひとりの大柄な男がスラム街にあるシモンのアパート、否、月の家賃銀貨5枚のオンボロ長屋へ迎えに来た。


 どんどんどんどんどんっ!!! 

 

 いきなり!

 壊れるかと思うくらい乱暴に扉を叩かれ、「びくっ」としてシモンは飛び起きた。

 

 扉を叩きながら、外から誰かが自分の名を大声で呼んでいる。

 

 「ばたばた!」と泡を喰って飛び起きたシモンは扉を開け、驚愕。

 

 つい、わああっ!! 

 と思い切り叫んでしまった。


 人間離れした、魔物オーガのような、たくましい男がギラリと鋭い視線を投げかけ、立っていたからだ。

 

 扉の向こうに立っていた、男の身長は2m近い。

 シモンよりは随分年上。

 40代半ばであろう。


 スキンヘッドで顔は超こわもて。

 日焼けした浅黒い褐色の肌。

 まだ春浅く、結構寒いのに上半身はぴちぴちのランニングシャツ一枚、

 下半身は、『もも』までしかない超短パンだけ。


 シモンが見上げる男の体重は、100Kgを楽に超えているだろう。

 全身「むっきむき」の筋肉男である。


 筋肉男は、腕を挙げ、自分の肉体を誇示するようなポーズを取った。


「おい、シモン。さっさと支度(したく)して行くぞ。お前、借金は返して来たな?」


「は、は、はい。か、か、返して来て、しょ、証書もびりびりに破り捨てました……でも、行くってどこへ?」


「ブグロー部長から聞いてね~のか? ……研修だよ!」


「け、け、研修?」


 慌てたシモンが速攻で着替えると、男は乗って来た馬車へシモンを無理やり押し込んだ。

 

 老齢の御者へ、馬車を出すよう指示を与える。


 馬車は走り出した。

 一体、どこへ行くのだろう?

 そして何をしに……


 御者へ指示を出した男は不安そうなシモンを見て、にやりと笑う。


「おう、シモン! 俺はコルボー商会の新人研修の担当教官バスチアンだ」


「バスチアン……さん?」


「俺の事は教官と呼べ! シモン! お前をよ、一人前にする為、徹底的に鍛え上げるぞ!」


「え? じ、自分を? き、鍛える?」


「おうよ! ひとつ聞くぜ、シモン! お前は、身体強化魔法を使えるな?」


 補足しよう。

 身体強化魔法とは、体力、頑健さ、運動能力を常人の数倍から超人並みに引き上げるドーピング魔法である。

 ちなみに、使用時間とともに大量の魔力を消費する。


「は、はいっ!」


「よっし! ちょっと()んだが、良い返事だ。じゃあ、さっさと体内魔力を100%全部身体強化にふれ。じゃないと、お前は死ぬ」


「えええええっ!? 俺が!? し、し、し、死ぬって! どこかのやられ役が死を宣告されてるみたいっす!」


「はははははは! そんなにびびるなって。闇金に殺されるのもウチで死ぬのも一緒だろ」


「わわわわわ、そんなん一緒じゃないっす! た、た、た、た、助けてぇ~~」


「ごら! 騒ぐな! これが見えねぇのか?」


 バスチアンは紙片を取り出し、ひらひらさせた。

 見覚えがあった。

 これは……シモンがサインした雇用契約書である。


「これは本チャンじゃなく写しだが、おめぇがサインして、ウチと結んだ契約書(けいやくしょ)よ。ははははは! お前は死ぬまでウチで働くんだよ」


 死ぬまで!?

 コルボー商会で働く!?

 

 従事する仕事や社風が合わないと思っても……

 辞めて転職も出来ない!?

 

「な!? し!? し、死ぬまでってぇ!? そ、そ、それ!! い、い、い、違法じゃないすかぁ!」


「ごら! バカヤロ! 違法じゃない、ちゃんとした合法な契約書だ。ウチの法務部が王国の法律に基づいて完璧に作成してる」


 つまり……

 コルボー商会が作成したシモンの雇用契約書は、法の網の目をかいくぐった巧妙な内容であったという事。


「ええええええっ!」


「それによ、お前は、部長から、退職金の金貨300枚を前払いして貰っただろ?」


「た、た、退職金って! ち、ち、違いますよ! し、支度金(したくきん)だってブグロー部長に言われたんです」


「俺は知らねぇし、そんなん聞いてねぇ。部長はちゃんと説明してサインさせたはずだ!」


 バスチアンはきっぱり言いきった。

 だが、シモンは「ぶんぶん」首を振り、否定する。


「あ、ありませんよっ! せ、説明なんて! ろくになかったんですっ!」


「でもよ、おめぇはこの契約書を読んで、納得した上でサインしたんだろ?」


「た、た、確かにサインは、し、しました。だ、だけど……な、納得は! そもそも! な、内容を、よ、良く読んでません……」


 完全に動揺したシモンの言葉を聞き……

 バスチアンはしめた!

 という顔付きをした。


「内容を読んでない? ふうん、そりゃお前の勝手だ。落ち度だ。完全に自己責任! ……って奴だなぁ、こりゃ」


「で、でも……自己責任って……そんな……」


「ごらあっ! 下手(したて)に出てりゃ付け上がりやがって! いつまでも、ぐちゃぐちゃ言うんじゃねぇっ!」


「わあっ!」


「てめぇ! ハッキリ言っとくぞ。子供の遊びじゃねぇんだ! 雇用契約書に自分でサインして、金も受け取り、借金返す為に使った。今更どうのこうの言わさねぇ!」


「ひいいいいい」


 こうして……

 シモンは泥沼に落ち、はまっていったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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