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第42話「単調な授業もお任せあれ!①」

東導 号 書籍化作品

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 ロジエ魔法学院においては、45分間授業を行い、休憩は15分。

 

 15分はあっという間。

 すぐに終わってしまう。

 

 第2時限目の授業開始は午前10時である。

 原則として、教師は3分前に、生徒は5分前には教室へ入る事となっている。


 という事で、ひと息ついたシモンとセシルは2年C組の教室へ向かう。

 だが、セシルの表情は少し暗い。


「あ~あ、ちょっと気が重いかも」


「どうしたんですか? セシル先生。次の授業は基礎の呼吸法による、体内魔力の増幅及び精神集中の訓練、その後が、リラクゼーションですよね?」


 呼吸法は体内魔力を増幅させ、精神の集中、均衡をはかる。

 またリラクゼーションは、単に心だけではなく、身体機能にも物理的な変化を及ぼすともいわれている。


 心身がリラックスすると、呼吸が穏やか且つ酸素消費量が少なくなり、個人差はあるものの気持ちが前向きとなり高揚感を覚えるともいう。


 呼吸法、リラクゼーションとも、いずれも魔法を行使する為に、

 魔法使いには必須の基礎トレーニングである。


 しかし若き乙女達にとっては、単純で地道な訓練の反復作業と捉えられており……

 派手な攻撃魔法、未知の対象を呼び出す召喚魔法等の訓練に比べ、集中力は散漫となりがちなのだ。


 そう、はっきり言って、クラスの生徒のほとんどが、呼吸法を適当に行う。

 ひどく、だらけてしまうのだ。


「シモン君の人気と実力、クラウディアさんのカリスマ性と統率力によって2年C組のモチベーションは大幅アップしているわ。だから、以前よりはず~っとマシだと思うんだけど……」


 セシルの悩みは相当深いようだ。

 

 しかし、シモンの顔が明るくなった。

 何か、良き対策を考えていたらしい。


「セシル先生」


「何?」


「俺にひとつ提案がありますけど。そんなにデメリットもないし、宜しければ、試してみませんか?」


「え? シモン君に? 名案があるの? デメリットなし? わあ! 何それ、聞かせて」


 副担任としては、セシルを大いにフォローしたい。

 シモンは授業に臨むにあたって、いろいろシミュレーション。

 様々な方策を考えていた。

 

 今回の基礎トレーニングに関しても当然、準備はOK!

 スタンバイしている。


「ええっと………………という感じです」


 シモンがざっくり自分のプランを説明すると……

 セシルは、シモンの顔をまじまじと見た。


「え? 出来るの? シモン先生がそんな事」


「はい、セシル先生が許可していただければ、試してみる価値があるかと」


 シモンが言うと、セシルは子供のように目を輝かせた。


「うん! 信じられない話だけど、面白そうね! 実施可能ならば、私もぜひ試してみたいっ!」


「ははははは、上手くいったら儲けものって感じですけど、宜しいですかね?」


「うん! 全然オッケー! 許可します! わあ、楽しみっ!」


 暗かったセシルの顔が「ぱああっ」と一気に明るくなった。

 彼女のそんな顔を見るだけで、シモンはいろいろ考えた価値があったと嬉しくなったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 シモンとセシルは、授業開始前に、2年C組の教室へ入った。

 まずは、シモンから指示が飛ぶ。


 強引な直談判(じかだんぱん)で、新・学級委員長となったクラウディアに対し授業開始の号令をかけるようにと。

 

「うふ! シモン先生、了解! きり~つ、きをつけ! れいっ! 宜しくお願い致します!」


 生徒達は起立し、礼をした後、着席した。


 セシルは授業内容を告げる。


「今日の第2時限目は、魔法学Ⅰの復習とし、呼吸法による、体内魔力の増幅及び精神集中の訓練、その後が、リラクゼーションとなります」


「………………」


 攻撃、召喚の授業ならば、打てば響けとばかりに生徒達の反応が戻って来る。

 しかしセシルの言葉に対し、戻って来たのは無言と『しかめっつら』のみであった。


 生徒の『しかめっつら』に釣られるように、セシルの顔も硬くなる。

 双方のモチベーションは間違いなく下がっていた。


 ここで、シモンのフォローが入る。


「セシル先生」


「シモン先生、お願い!」


 ここは、シモンの『提案』を試すしかない。


「お任せください」


 シモンはにっこり笑うと、生徒全員を見回した。


「皆、いきなりだが、楽園(エデン)に行って訓練をしようか?」


 補足しよう。

 

 シモンのいう楽園(エデン)とは、創世神が創り、天の使徒が管理したと古文書で伝えられる……

 原初の人間が暮らしたという伝説の理想郷である。

 

 記述によれば、1年中、温暖な気候で豊かな自然に満ちあふれた境地であるという。

 ユートピアと呼ぶ者も居る。


「はあ?」


 と、疑問の声を発し、すっくと立ち上がったのはクラウディアである。


「シモン先生」


「おう!」


「いくら先生でも、この教室から実在しない楽園へ行くのは無理ですっ! 仰っている事が荒唐無けいですわっ!」


 クラウディアのジト目&訝し気な顔。

 初めて会った時は気を失っていて、二度目に学院で会った時はこんな顔をしていたっけ。

 シモンの記憶がよみがえり、つい懐かしくなる。


「ははは、行けるさ。クラウディアは手伝ってくれるか?」


「はいっ! まあ無茶だとは思いますわ。ですが、先生がそう仰るのなら、わたくしはついていきますっ!」


 反論しながらも、シモンに頼まれると今のクラウディアは嫌とは言わない。


「みんな、クラウディアさんと一緒に教室の窓を開けてくれるか。全開にして構わない」


 どうやらシモンが、面白い事を行い、単調な作業を面白くしてくれそうだ。

 当然、学級委員長としてクラウディアも、シモンをフォロー。


「みなさん! シモン先生の指示通り、窓を開けますわよっ!」


「了解っ!!」


 生徒達は大きな声で返事を戻し、一斉に立ち上がった。

 そして教室の窓を全員で大きく開け放った。


 更にシモンから指示が飛ぶ。


「よし、全員席について座ってくれ。座ったら、しばらく何も喋らず、そして

目を閉じてくれるかな」


「みなさん、シモン先生のご指示に従って! 絶対ですよっ!」


 クラウディアが声を張り上げるまでもなかった。

 笑顔のC組生徒達は全員すぐ着席した。

 そしてゆっくりと目を閉じた。


 生徒だけではない。

 教師のセシルも椅子に座り、無言で目を閉じるようシモンから指示された。

 

 セシルの仕草から、未知の期待に「わくわく」しているのがはっきりしており、

 生徒と同じく素直に座り、目を閉じた。

 シモンを信じているらしく、全く言葉を発さない。


「みんな、俺がOKというまで、絶対に目を開けないでくれよ。カウントダウン終了後、すかさずセシル先生の仰った基礎訓練へ入ってくれ」


 これから……

 一体何が始まるのだろう?


「じゃあ、カウントダウンを始めるぞ」


 C組の教室には、シモンの肉声だけが響いていたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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