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第39話「大騒ぎの授業デビュー②」

東導 号 書籍化作品

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

特報!

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 クラウディア・ラクルテルが理由なき乱入!?

 否、ちゃんと許可を取った編入事件《本人談》だと言い張る。

 果たして真実は?

 

 この事件で第1時限に行われる予定のホームルームは一旦中止。

 急ぎシモンが各所へ確認に回った。


 ……10分ほどして、シモンは戻って来た。

 セシルが迫る。


「ど、どうだった? シモン君!」


「はあ、セシル先生。教頭から始めて、校長、最後に理事長に確認して回りましたが……クラウディアさんの2年C組編入は間違いないっす」


 先ほど、校長のリュシーと教頭のエレンが、困っていたのはこの件だった。

 理事長アレクサンドラがクラウディアのC組編入をOKしたのである。


 シモンに対する恋心?がクラウディアの向学心とモチベーションを刺激するという事なのだろう。

 しかしリュシーとエレンが嘆くように前代未聞の対応である。

 アレクサンドラには深い思惑があるらしいが……


 いち生徒のわがままで、急な編入が認められた!?

 とんでもない状況に直面し、セシルは大きく息を吐く。


「はああ……」


「何かすいません。……多分、俺のせいだと思います。凄く責任を感じます」


「……仕方がないわ。理事長がOKしたら、もう確定。動かしようがないもの」


「……分かりました」


 ここでシモンがケアする為に行ったのは、クラウディアの強権発動により、後方の席に移動させられた生徒である。


 シモンが見やれば、とてもおとなしそうな生徒であり、クラウディアが無理やり「どかした」のは想像に難くない。

 

 シモンは深く頭を下げた。


「君、申しわけない。俺のせいだ」


「えええっ!? シモン先生が謝らなくても。……それに、いいんです。あの席は、私には前過ぎて……」


「いや、そんな事ない。……ちょっと待ってろ」


「あ、待って……」


 座席を移動させられた女子生徒の制止を振り切り……

 シモンは、クラウディアの座っている席へ戻った。


 そのままクラウディアの前に立つ。


「あら、シモン先生、何?」


「クラウディア、どういうつもりだ?」


「うふふ、絶体絶命のピンチを助けられた王女様は、助けてくれた白馬の王子様の一番(そば)に居ないといけないのですよ」


 クラウディアの言葉を聞き、シモンは完全に事情を理解した。

 軽く頷くと真剣な顔付きが一変、にっこり笑う。


「一番(そば)? ならば、この席はお前の希望通りじゃない。正面の教壇にはセシル先生。俺は、副担任の席に座るからな」


 シモンが視線を移したのは、はじっこの副担任が控える奥のエリアだ。

 そこには小型の教壇が置かれていた。


「え? 副担任の? じゃ、じゃあ! 私、はじっこの最前列へ移るっ!」


 クラウディアは最前列のはしっこへ移ろうとした。

 しかし、シモンが制止する。


「ちょっと待て!」


「え?」


「クラウディア、お前の編入は認められた。理事長以下3人に俺が直接確認した。お前が言った通りだ」


「でしょ!」


 ここで、通称『地獄の森』で習得したシモンのディベートがさく裂する。

 クラウディアをじっくりと説得していく。


「聞いてくれ、クラウディア。俺シモンは新人教師、お前は編入したて。新たな環境に来た者同士だ」

 

「新たな環境に来た者同士……私クラウディアとシモン先生が同士。……仲間ってことですわね?」


「ああ、そうだ。仲間だな」


「うふふっ、嬉しいっ! 正確に言えば想い人同士ですけどねっ!」


「いや、想い人、華麗にスルー。それよりクラウディア! 俺達が、新たな環境に慣れる為には周囲と折り合いを付ける事が必要だ。違うか?」


「折り合いを付ける?」


「ああ、折り合いを付けるとは交渉や調整のシーンで、意見が違う者同士がお互いに受け入れられる妥協点、着地点を探す事だ」


「妥協点、着地点ですか?」


「おお、つまり、ここであればお互いに納得し、同意が出来るという点だな」


「お互いに納得し、同意が出来る……」


「逆の立場ならどうだ? 急に無理やり席を移動させられたら、お前は腹が立つだろう?」


「た、確かに!」


「不協和音が出る事を折り合いを欠くという。ならば、空いている席へ移ろうか」


「え?」


「お前が新しいクラスで折り合いを付けられるよう、皆と仲良く出来るよう、俺も全力でフォローする。お前は俺が副担任を務める2年C組の一員なんだから当たり前だ」


「シモン先生! 私がクラスへ溶け込めるようフォローしてくださるのですねっ! 愛する想い人だからですねっ!」


「愛する想い人、華麗にスルー。違う! 2年C組の一員だからだ」


「私が2年C組の一員だからっ?」


「ああ、そうだ、お前は間違いなくC組の一員だ。奥の席の前から3番目が、現在、空席みたいだぞ。 そうですね? セシル先生」


 シモンは念の為、セシルへ問題が起きない空席の確認をした。

 

「は、はい! そうです! シモン先生!」


「ありがとうございます。よっし! じゃあクラウディア、あの席へ移ってくれ。あの席ならお前が良く見える」


「シモン先生から、私が良く見える! 了解しましたっ!」


 何と!

 シモンの説得により、クラウディアは素直にあっさりと席を移動した。


 頃合いと見て、シモンは生徒全員へ呼びかける。


「さあ、という事で2年C組に新しい仲間がふたり増えた。俺シモン・アーシュと彼女クラウディア・ラクルテルを宜しくなっ!」


 わああああああああああっっ!!


 シモンの機転(きてん)により、2年C組は大いに盛り上がった。

 誰もが笑顔を見せている。

 闖入者(ちんにゅうしゃ)で事件の元凶? クラス新参のクラウディアも満面の笑みだ。


 上司セシルへのフォローも、シモンは忘れない。

 進行をバトンタッチする。


「では、セシル先生。ホームルーム開始をお願いしますっ!」


「りょ、了解っ!」


 こうして……

 和気あいあいの中、2年C組は無事にホームルームを開始する事が出来たのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


マンガアプリ「マンガUP!」様でもコミカライズ版が好評連載中です。

毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」

「迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚」


も何卒宜しくお願い致します。

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