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第22話「大事件発生! スキル発動!①」

東導 号 書籍化作品

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

特報!

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 悲鳴が聞こえて来た中央広場の一画は、群がる野次馬の数が凄い。

 シモンは機敏な競技選手のように高速でジグザグに走り、密な人混みを縫うように巧みにすり抜け、あっという間に現場へ到着した。


 現場では『大事件!』が起こっていた。

 

 何と!

 年齢は10代半ばくらい、上品な服装の美しい貴族令嬢らしき金髪の少女が……

 人相の良くない冒険者風の男ども5人に無理やり引きずられ、どこかへ連れて行かれそうになっていたのだ。

 

 先ほどシモンが聞いた悲鳴をあげたのは……この貴族令嬢に違いない。

 わずかに放つ波動が『一致』していた。


 貴族令嬢は当て身でも喰らったのか、今は気を失っており、力なく男どもに「ずるずる」と引きずられている。


 そして懸命に(あるじ)を守ろうと抵抗する、同年齢くらいの侍女らしき少女も居た。

 健気に立ち向かう栗毛の侍女は、その男どもから何度も殴られているらしく、(ほお)を赤く()らしている。

 

 ピンと来た。

 シモンは瞬時に状況を判断したのだ。

 

 『貴族令嬢主従』は何らかの理由があり、護衛をつけないで、こっそりと街中へ出掛けたのであろう。

 そして何らかのきっかけで、たちの悪い男どもに目を付けられ、拉致(らち)されそうになっている!

 と、いう事件だ。

 

 このような場合、ふらちな男どもを()らしめ、逮捕。

 街の治安を守るのは警察権を持つ衛兵の役目である。

 

 シモンは、ぐるりと周囲を見回した。

 

 おいお~い!

 衛兵はどこだ?

 居ないのか?

 まだ来ないのか?

 

 だが、野次馬ばかりたくさん居るものの、肝心の衛兵は見当たらない。

 衛兵の放つ独特な波動も感じられない。


 仕方がない。

 このまま放置しておくわけにもいかなかった。

 

 どこかに連れていかれれば、貴族令嬢は男達の『(なぐさ)み者』になりかねない。

 

 貴族令嬢の楽しい人生は、あっさりと地獄へと変わる。

 ふらちな男どもを「びしっ!」と排除し、貴族令嬢を救う。

 そうシモンは決めた。

 

 元々シモンは温厚な性格で大人しく、ケンカもほとんどした事がなかった。

 そんな魔法大学を卒業したての、ひ弱な苦学生だった去年ならいざ知らず……


 怯えながらコルボー商会へ就職した後のシモンは、パワハラ、モラハラ、暴力と、死への恐怖……3拍子どころか、4拍子揃った地獄の研修をクリア。

 数多の魔法とスキルを身につけ、人跡未踏の辺境を隅々まで探索する逞しきトレジャーハンターとなった。


 この1年間は、数多(あまた)の魔物、魔獣、不死者(アンデッド)どもを散々倒して来た。

 そして賢者と呼ばれる領域のレベルに達し始めていた。

 ならば、こんな『いかれ野郎』どもをぶっ飛ばすのはたやすい、大楽勝である。

 

 だが大騒ぎになって、事件に巻き込まれ、衛兵沙汰となり……

 せっかく内定したライトサイドな『ロジエ魔法学院教師の職』を失うのも凄~くアホらしかった。


 当然ながら、ティーグル王国の法律において、暴力行為は厳禁だ。

 この拉致(らち)男どもは確実に禁を犯してはいる。

 

 男どもの様子から、まともに貴族令嬢の解放をするよう説得しても、

 素直に応じる可能性は低い。


 しかもこの場合、何と!

 シモンが貴族令嬢を救う為、男どもへ「手を出す」のは原則禁止なのである。

 簡単に言えば、被害を受けた当人の正当防衛、つまり少女と侍女の抵抗と反撃のみがOKなのだ。


 いびつな正当防衛の法律は、杓子定規な役人が考えた理不尽なルールであった。

 

 また抵抗と反撃の力加減(ちからかげん)も難しい。

 もしもシモンのような第三者の強き者が出張り、このふらちな男どもに正義の鉄槌(てっつい)を下したとする。

 しかし相手の男達が重傷を負ったり、下手をして死んだりした場合、シモンは過剰防衛的犯罪となってしまう。


 当然、衛兵は男達が抵抗した場合、厳然と公務執行するのでこの限りではない。

 

 そんな面倒ごとに巻き込まれたくない。

 なので、周囲を取り巻く野次馬が衛兵到着を待ち、「見ているだけ」なのも、その点からだ。


 では!

 被害を受けたのが、今回のように抵抗出来ない弱者ならどうする?

 被害者の家族や友人、仲間は助けに入れない?

 第三者が助けるなど、絶対無理? 

 等々、大いなる矛盾が生じる。


 但し、身分差等で例外が生じる場合や、成り行き次第で暴力OKという曖昧あいまいさもあった。


 今回に関して、シモンはどうするのか?

  

 この男達と派手に大立ち回りをしたり等々……

 いわゆる「事を構える」ことなく、拉致されかけている貴族令嬢を無事に救う。

 そんなに都合良く上手い方法はあるのかと、誰もが思うだろう。


 実は……ある!

 シモンはトレジャーハントの業務を行いながら、数多(あまた)の魔法とスキルを身に着けているのはご存じの通り。


 1年間、世界各地へ赴き、数多の町や村を旅すれば……

 このような事件も数多あった。

 自身と周囲で散々、経験している。

  

 こういった「トラブル処理」は、慣れていて、

 実は『お手のもの』なのである。


 あまり「ぐずぐず」してはいられない。

 男達は貴族令嬢を自分の隠れ家に連れて行ってしまうだろう。


「おい、お前ら、待て」


 シモンは、貴族令嬢を引きずる男どもへ、無造作に声をかけたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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コミカライズ版《藤本桜先生作画》最新話が掲載されます。

第26話となりますが、コミカライズ版の『最終回』となります。

お見逃しなく、ぜひ読んでみてください。


また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。

コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。

WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。


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毎週月曜日更新予定です。

お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開!》

「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」

「辺境へ追放された勇者は、銀髪美少女と新たな国を創る。気が付いたら魔王と呼ばれていた?」

「迷宮下層へ置き去りにされた底辺冒険者が裏切者へざまあ!銀髪美少女に救われ、成り上がる冒険譚」


も何卒宜しくお願い致します。

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