五十話目 最後の試練③
魔法生物を倒して、しばらく歩く。
台が道の真ん中にあった。台の上には、眼鏡が置いてある。その横に、「十分間かけろ。一度かけたものは外したらもう二度とかけられない」と、書いてある紙が置いてあった。
「掛けろだって」
「多分、成功したら地図のカケラが貰えるんじゃないかな?」
「よし、私がやろう」
レミが眼鏡を手に取り、それをかけた。
その瞬間、
「うわっぁ!!」
と叫んで、眼鏡を落とした。
俺は眼鏡を地面に落ちる寸前で、受け止めた。割れたりしたら何となく問題がありそうだと思ったからだ。
「ど、どうしたの?」
ミナが心配そうな目で尋ねる。
レミは顔から汗をダラダラと流して、
「ド、ドラゴンが目の前に現れたんだが、幻覚だったか……」
と呟いた。
どうも眼鏡をかけると、先ほどの精神の部屋のような幻覚が見えるようだ。
ならここは俺の出番だな。
俺は手に持っていた眼鏡をかけてみる。
確かに最初はドラゴンが俺をくらいに来たが、ビビる必要はどこにもない。
その後も、巨大蜘蛛が来たり、隕石が落ちて来たりして来たが、特に問題なくかけ続けて十分が経過した。
すると、眼鏡が消滅して、台の上に地図のカケラが出現した。
「2枚目ゲット」
俺はそう言って、カケラを拾った。
「さすがペレスさん!」
「今回は最初から幻覚だと分かっていれば、別にレミでも出来たと思うがな」
「そ、そうなのか?」
「まあ、あの眼鏡を見て、冷静に考えれば幻覚を見せて来そうだと想定できると思うがな。完全に何も考えずにかけただろお前」
「ぐ……反省せねば……」
「そういう単細胞なところも、レミの魅力なんだし、直さなくていいと思うよ!」
「や、やかましい!」
アイシャに煽られて、レミは顔を赤くして怒る。
「二つ集まったが、まだこれだけではわからんな」
俺は最初に拾った地図のカケラと合わせてみたが、まだまだ地図として使えるように、なっていない。
「全部でいくつあるんだろう」
「あと、二十枚は最低でもありそうだな。まあ、全部集める必要はないだろうし、問題ないか。そもそも、案外歩き回っていれば、地図なしでも発見できるかもしれないしな」
そう思っていたら、ゴゴゴゴゴゴ…………と地面が揺れだした。
すると、目の前に壁が出現し、道を塞ぐ。先ほどまで壁だった場所の壁が、地面に収まり道が出来ていた。
「これって……」
俺は地図を見てみる。
明らかに先ほどまでと、模様が変わっている。
「こ、この迷路、一定時間で変わるんだね」
「そうみたいだな。下手をすれば出口の位置も変わっているかもしれん」
「じゃあ、闇雲に歩いて攻略することはよっぽど運が良くないと、難しいね……」
地図のカケラを集めるのは、必須みたいだな。
それから俺たちを迷宮を歩き回る。
強力な魔法生物を退治したり、難問を解いたり、精神攻撃をクリアしたりと、さまざまな試練を突破し、地図のカケラを集めていった。
その間、二度地形が変わり、面倒な思いをした。
そして十枚目が集まったところで、
「この黄色い点はなんだろう」
黄色い点がある地図を発見した。
「出口?」
「俺たちの現在地かもしれん。動いてみよう」
俺たちが動いてみると、地図の黄色い点も動いた。
「ペレスさんの言う通り、これは私たちの現在地だわ!」
「ふむ、やはり現在地が分かる地図であったか。これでその地図を見れば、どこに行けば出口に行けるか、分かるようになったな」
グレースが顎を触りながら、そういった。
まだ出口の位置は、地図に記されていない。
とにかく早く集めないといけない。俺たちは地図のカケラを揃えるため、急いで迷宮を歩き始めた。




