四十四話目 知恵の試練クリア
二問目は七羽鳥がいて、ファイアボールの魔法を使って一羽仕留めた、残りは何羽? という問題が出た。
子供でも分かるぞ、バカにしやがってと思って、六羽と答えを書いたら、正解は零羽だった。何でも、ファイアボールに驚いて、全て逃げたとかいうふざけた理由だった。
これには俺以外にも、アイシャ、レミが引っかかったが、メオンとミナとグレースは正解していた。
「お主だけ二問連続不正解じゃぞ」
「っち、てめぇ……」
横でニヤニヤと笑いながら、メオンが煽ってくる。事実であるので反論できない。
『三問目を出す。次からは難易度が上がるぞ』
その言葉通り難易度は急上昇した。
複雑な魔法陣を見せられて、この魔法陣はドラゴン召喚の魔法陣であるが、欠陥がありこのままでは発動しない。どこをどう修正すればいいか答えろという問題だ。
魔法を使う際に、魔法陣など使ったことのない俺は分からない。ただ最低限の知識はあるので、右下側の模様に、何か違和感を感じるのだが、どう修正すればいいのかはわからない。
魔法をほとんど使えない、レミとアイシャはもはや諦めて応援に徹している。
「頑張れ」とか「絶対できる」とか言って応援しているが、うるさくてむしろ邪魔である。
制限時間が来たので、とりあえず答えを書いたが、外れていた。
正解者はメオンとグレースの二人。
俺の睨んだ通り、右下に問題があったが、答えは間違えていた。
その次の問題は、さらに難易度が上昇した。
三十体のオークの図を見せられて、この中にひとつだけ、オークではなく、変化を得意とする『メタモル』がいる。どれがメタモルか正解をかけという問題だ。
はっきり言って違いが分からん。
どれもただのオークにしか見えん。
そもそも人間の違いも分からん俺に、オークの違いなんか分かるもんか。
これにはメオンも「分かるかこんな問題」とさじを投げていた。
正解者は出ないだろうと思っていたが、グレースが正解した。
「マジかあんた」
こいつオーク研究者か何かか?
「まあ、わしは知恵には自信がある。今のは二択で迷ったがな」
とにかくグレースのナイスプレーで、あと一問というところまで来た。
『最終問題、これを解け。制限時間は五分』
と今回は短い出題だった。
何を解けばいいんだとと思ったら、目の前になにかが出現した。
複雑な形をした二つの金属が、絡み合っている。
何だこれは。
「知恵の輪だな。これを二つに分ければいい。だが、これはかなりの難問だな」
グレースが説明をする。
二つに分けろってこれを?
紐を解くみたいな感じでか?
俺はその知恵の輪とやらを解こうと試みるが、中々外れない。
試行錯誤をするのだが、あまりにも複雑すぎて解ける感じがしない。ほかのものも同じく、解けていないようだ。グレースですら手こずっている。
その場にはガチャガチャと鉄をいじる音だけが、響く。
『残り十秒』
カウントダウンが始まった。
ああ、面倒くせー。
これは力で外していいんじゃないか?
問題では解けとしか言ってないし。
文句は言わせないぞ。
俺は力ずくで、知恵の輪を解いた。
ガシャアアアン!! という音が響き渡り、知恵の輪は、完全に二つに別れた。
その瞬間にカウントダウンが止まる。
「ぺ、ペレス殿!? ありなのかそれは?」
「力尽くで壊すなとは、言われてないぞ」
しばらくどうしたものか悩んでいるのか、声が止まった。
『……その知恵の輪は、壊せない強度のはずなんだが……全くの想定外……』
と悩むようなブツブツ声が聞こえてくる。
『……分かった、合格だ。次の精神の間に進むがいい』




