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四十話目 塔の扉

 ルートビアの塔に辿りついた。

 間近で見るとかなり高いな。高いだけでなく、横幅もかなりでかい。


「近くで見るとすごいねー」


「だな。大きいし……それに近くで見ると、青色がより綺麗に見えるな。何で作っているのだろうか?」


 レミが塔を見ながら感嘆したように呟く。


 確かに塔の青色に淀みなどは一切ない。


「じゃ、さっそく中に入るかー」


 俺は塔の扉に近づく。扉の取っ手を手に取り、開けようとする。開かない。鍵がかかっているようだ。

 そういえば、町で魔法かなんかのせいで、開かないって言ってたな。


 扉に何か書いてある。読んでみよう。


「えーと……中に入り頂上まで辿りつきし者には、賢者の知恵を授けよう。この扉を開けるには、合言葉が必要となる。ここより北にある、バルサ砂漠のどこかにある遺跡に、合言葉が書かれた、書物がある。それを見つけ出すのだ……だってさ」


「砂漠にある遺跡……ビルサ砂漠と言えば大陸最大級の砂漠か」


「面倒そうだな……蹴破って入ったほうが早そうだな」


 俺は扉に近づいて、蹴破ろうとする。


「ま、待って!」


 アイシャがいきなりそう言って俺を止める。


「どうした」


「扉の下、ここ!」


 アイシャは扉の下の方を指差す。

 扉の下の方には何か書いてある。


「えーと……? まずおらぬと思うが、扉を蹴破って入ってくるような礼儀知らずの愚か者には何も教えてやらん。空を飛んでいきなり頂上に来る奴にも教えてやらん。ちゃんと合言葉を見つけて、扉を開けた者にのみ知恵を授けよう」


「壊して入ったら駄目っぽいよ」


「ふむ……しかし、バラシアから貰った手紙があるだろ? これを見せれば例え壊して入っても、大丈夫なのではないだろうか」


「そ、そうなのかなー?」


「大丈夫かもしれんが、もう二度と教えてもらえなくなるリスクがあると思うぞ。砂漠は広いがペレス殿なら案外簡単に見つけられるのではないか?」


 レミがそう言ってきた。


「うーん……そうだなぁ……」


 たしかにレミの言うことも一理あるよなぁ。

 砂漠を探すのはたしかに面倒臭いが、出来ないというわけでもないし……


 でも、手紙があれば大丈夫なような気もするがなぁ……


 俺は少し悩んで、


「仕方ない。合言葉を探しに行くか」


 そう決めた。


 やっぱなるべく賢者の機嫌を損ねそうな選択は避けるべきだし、砂漠を探すのも大規模な使い魔召喚魔法でも使って、大量に手駒を召喚すれば、それほど探す時間はかからないだろうしな。


 ビルサ砂漠の正確な位置がわからないし、一旦町に戻ろう。

 俺たちはロウウィンへと戻った。



 ○



 ロウウィンに戻って砂漠の正確な場所を聞いた。


 そして、砂漠まで行こうとした時、


「お主ら……」


 老人に話しかけられた。

 白髪頭で髭も長い。紺色のローブとそこそこ高価そうな杖を手に持っている。魔法使いの老人だ。

 性別は分からない。年寄りだとさらに性別が分かりにくくなる。髭長いし、たぶん爺さんだろうと俺は予想した。


「何だ?」


「こちら方面にはビルサ砂漠しかないが、お主らビルサ砂漠まで行くつもりなのか?」


「そうだが」


「何のために?」


「ルートビアの塔に入るには、ビルサ砂漠で合言葉を見つけないといけないらしいから、探しに行くんだ」


「ほう……」


 老人は俺達を値踏みするかのような目で見てきた。


「なるほど……? お主ら中々強いようだな。特にお主の強さは底が見えん」


「まあ、強いは強いがな」


 見ただけで分かるのか? と疑問に思う。まあ、俺も昔は見ただけで他人の強さを測れるような時期があったな。今は無理だが。


「実は、わしもルートビアの塔を登りたいと思っている。合言葉がある遺跡の場所も知っておるのだが、遺跡内部には強力な魔法生物が大量にいるため、突破できんのだ。そこで、わしがお主らに遺跡の場所を教えてやるから、一緒に合言葉を見つけて、ルートビアの塔を登らんか?」


 そう提案してきた。

 この老人は遺跡の場所を知っているようだ。断る理由は無い。場所を教えてくれるというのなら、メリット以外ないだろう。別に付いてこられて、特に問題があるわけでもないからな。


「いいぞ」


「おお助かる! では案内するから付いてきてくれ。そういえば名を言っていなかったな。わしの名はグレース・バルバラードだ。よろしく頼む」


「ペレス・ギャントルだ」


 自己紹介をしたあと、運よく探す手間が省けたと思い、俺達はグレースの後をついていった。






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