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二十五話目 父親

 残留魂の解放法は難しくはない。物理的に破壊すればそれで解放可能だったはずだ。

 大昔に忘れかけていた事なので、自信はないけど。

 とりあえず俺は力を込めて、球を破壊してみた。


「あー!」


 メオンが叫ぶ。

 俺はその後、霊視眼を使い魂を見た。


 たぶん男の残留魂だ。胸はないし。


 そいつは何やら口を動かして、何かを主張している。

 霊交信を使って俺はそいつの言っている事を聞いてみる。


「解放してくれて助かりました!」


 声が聞こえるようになった。


「別に礼はいいぞ」


「あ、話せるのですね!」


「とりあえず聞きたいことがあるが、お前はバラシアの父親のレクス・エレシオルか?」


「はい。間違いないです」


 解放された残留魂は頷きながら、返答した。


「もしかして、そこに幽霊がいるわけ?」


「全然見えないな」


「ぬー。解放しおって、せっかく捕まえたのに。残留魂を捕らえておく、縛魂球はそれなりに高価なのじゃぞ……」


「やっぱり、中にいたのはバラシアの父親だったらしいぞ」


「本当ですか!?」


 それを聞いたバラシアはかなり驚愕する。


「お前は霊視眼を使えないのか?」


「霊視眼は邪術の一種ですよね? 私に邪術は使えません」


「そうか。まあ、でもたぶんお前の父親なんだろう」


「……そうだとしたら、父は死んでしまったんですか」


 悲しげ声でバラシアは言う。


「悲しいのか?」


「……い、いえ悲しくありません。父も所詮人間ですから」


 嘘だな。こいつは嘘が下手だ。


「あんた、バラシアの母親を知っているか?」


 バラシアの親父レクスに尋ねてみた。


「知っています」


「おおマジか。どこにいるんだ?」


「暴虐王の所です」


「暴虐王? なんだそりゃ」


 俺がそう呟くと、レミ、アイシャ、ミナが顔色を変える。


「暴虐王と言ったか今?」


「言ったけど、お前、知っているのか?」


「当然だ。というよりペレス殿は知らないのか」


「そんな有名な奴なのか?」


「知らない者が珍しいと思うが」


「そうなのか? 俺以外の皆は、知っているのか?」


 皆、頷いた。

 俺はつい最近山奥から出てきたから、知らないが、俺以外の奴らが全員知っているというのは、凄い知名度だな。


「どんな奴なんだ」


「暴虐王はグロス王国の国王だ。グロス王国は大陸の西端にある国だ。私たちがいるラーノルド王国は大陸東端にあるため、ここからかなり離れている。その国の国王、暴虐王バグダムドは、元々は平民の生まれだったそうだが、圧倒的な個人の力で王を殺し、そして自らが王となり、グロス王国を支配するようになったという」


「なんだそりゃ。そんなこと可能なのか?」


「普通は不可能だ。どんなに強くても限りがあるからな。ただ暴虐王の強さは並外れている。1人で100万の軍をまったくの無傷で壊滅させるほどの強さを持っている。暴虐王は圧政を敷き、自分の欲のままに振舞っている、暴君であるが、あまりに強すぎて誰も逆らえんのだ」


「はー。暗殺とかは出来んのか?」


「何度もされたようだが、無駄なのだそうだ」


「そりゃあやべー奴だな」


 知らないあいだにそんな人間が誕生していたとはなー。つーか人間なのかそいつは?


「その暴虐王のところに、バラシアの母親はいるって親父が言っているぞ」


 一同それを聞いて押し黙る。よっぽどやばい奴みたいだな暴虐王ってのは。


「あの、生きた状態で母は暴虐王のところにいるのですか?」


 バラシアがそう聞いてきた。俺はレクスに同じ質問をしてみる。


「ええ、メレサは生きています」


「メレサってのは、バラシアの母か?」


「ええそうです」


「生きてるらしいぞ」


「本当ですか!? ……いや……やはり母の姿を見るまでは信用できません」


 一瞬喜んだバラシアだったが、すぐに表情を変えそう言った。かなり疑り深いやつだな。


「確かにメレサは生きているはずです……しかし、もしかしたら、もうすぐ暴虐王に殺されるかもしれない……それくらいひどいめに遭っていると私は聞きました」


「ふーん。てか、何で暴虐王の所にいるんだ?」


「それには少し事情があります」


「どんな事情だ?」


 その後、レクスはバラシアの母メレサが暴虐王の所にいる理由を語り始めた。




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