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十四話目 道中

日間2位になりました! 読者の皆様のおかげです! ありがとうございます!

 俺達はベムサカスを出た。

 目的地は竜王の巣、付近にある町のトルケスタン。

 竜王の巣に行ったことあるような気がするが、覚えていないので、場所は分からない。

 なので、町で竜王の巣がどこにあるのか聞いてから、向かうつもりだ。


「なぁ、一つ聞きたい事があるんだが、いいか?」


 トルケスタンに行く道中に、レミがそう尋ねてきた。


「いいぞ」


「何で竜王の巣に行くんだ?」


「竜王の巣に、黄の賢者がいると話を聞いた。そいつに俺の呪いを解く方法を聞くつもりだ」


「そうなのか」


「ねー、ペレスさんにかかっている呪いって何なのよ」


 今度はアイシャが尋ねてきた。


「不老不死になる呪いだ」


「はい?」


「だから不老不死になる呪いだ。現在の俺は歳もとらんし、どんな怪我を負っても死ぬ事はない」


 ぽかーんとした表情をアイシャは浮かべる。


「本気で言ってるのそれ?」


「いたって真面目だが?」


「いやいや、不老不死ってまたまたー」


「あ、ありえないよ」


 アイシャがそういうと、ミナが同意した。

 信じていない感じだ。無理もないか。

 すると、少し後ろを歩いていたメオンが呪文を唱え出して、俺の頭に攻撃邪術を撃った。

 俺の頭に穴が空き、血が飛び出る。


「へ……?」


「な……!」


「ひゃああああああ! 人殺し!」


 3人はそれぞれ驚く。


「いきなりやるなよ。驚いてしまっただろう」


「信じぬものには見せてやるのが手っ取り早い」


 俺は頭の傷が再生している状態でメオンを嗜めた。

 メオンは特に反省しているようすはない。


「あ、え?」


「治って……いる?」


「……」


 怪我か治る俺を見て3人は再び驚く。

 ミナにいたっては言葉を失って、ポカーンと口を開けている。


「不老不死だからな。怪我は勝手に治るんだ」


「う、うそー」


「本当だ」


 俺は不老不死の呪いをかけられた経緯を話した。


「魔女に……」


「でも不老不死って悪い事なのか?」


「1万年生きたら生きるのにも飽きるのだ。そうなると死ねるに死ねなくなる」


「1万年も生きてるのか!?」


「はぁー……めっちゃ年上なんだね……」


「お前ほかに感想はないのか」


「その呪いを解くために、賢者の知恵を借りたいというわけか」


「そういうことだな」


 とりあえず納得してくれたようだ。


「お主ら、1人来ておらぬがいいのか?」


 メオンがいきなりそんなことを言ってきた。


「え?」


「あ、ミナちゃんがいない」


 ミナだけがいなかった。気が付かなかった。

 探してみると先ほど俺たちが歩いてきた道で、ポツンと微動だにせずミナが立ちすくんでいた。


「どうしたのミナちゃ~ん!」


 アイシャが叫ぶが反応がない。

 俺達は近づいて確認してきてみる。


「……立ったまま気絶している」


 ミナは目を開けて立ったまま気絶していた。


「さっきの残酷な光景はミナには刺激が強すぎたか。おいミナ。起きろ」


 レミが、ミナの頬をペチペチと叩いて気絶から起こそうとする。

 しばらく叩き続けると、


「はっ!」


 ミナが意識を取り戻した。


「あ、ペレスさん……! よかったー、死んだのかと思ってたよ。夢だったんだ」


「夢ではないがな」


 とりあえず先ほどの出来事を、レミとアイシャが、ミナに説明をした。


「ふ、不老不死……さっき見たのは夢じゃなかったのか……うう……」


 ブルブルと震えている。


「ミナって男の癖に怖がりだよな。もうちょっと度胸つけなければ駄目だぞ」


 俺はミナの怖がりようを情けなく感じたのでそう言った。


「は?」


「何を言っている。男?」


 何やら戸惑っている。


「ミナは男だろう」


「いやいや、あんた何を言ってるのよ。どうみてもミナちゃんは女でしょう」


「普通、間違えるか?」


 マジか。


「ちょ、ちょっとショックなんけど。私、男っぽいかな?」


「全然そんなことないっしょ。むしろレミちゃんが男みたいでしょ」


「おい、それはどういう意味だ」


「あのー、何でペレスさんは私が男だと思ったの?」


 ミナが尋ねてきた。


「胸だ」


「え゛?」


「俺は胸がない奴は男だと見ている。間違えても仕方ないだろう」


 俺がそういうと、ミナ再び凍りついたように動かなくなった。


「ぎゃあああああ! ペレスさんが禁句を!」


「貴様、何て事をいうのだ!」


「ん? まずいことを言ったか?」


「まずいだろ、だってミナは!」


 レミがそう言った瞬間、レミが、


「そうですよ。私は胸がないですよ。ツルペタですよ。どんだけ牛乳飲んでもつるペタですよ。男みたいなもんですよ。はぁー……死ねばいいのに。胸のある奴、皆死ねばいいのに」


 ブツブツとそんな事を呟き出した。

 何かいきなり雰囲気が変わった。ミナってこんな奴だったか?


「や、やばい。逃げるぞ、アイシャ」


「う、うん」


「どうした何故逃げる」


「あいつの胸コンプレックスは半端ないんだ……ひとたびコンプレックスが刺激されるような事態になると……」


「胸がある奴は皆、ぶっころーーーす!」


「胸がある者を憎悪して、襲ってくるのだ!」


 レミとアイシャが同時に逃げる。豹変したミナが、レミとアイシャに襲い掛かる。

 炎の魔法やら氷の魔法やらが飛び交い、何とか必死にレミとアイシャがかわしている。


「あ、あの男が言ったんだから、私たちでなくあの男を攻撃しろ!」


「胸のある奴は死刑!」


「駄目よ! しばらくは話を聞いてくれるような状態じゃないわ! 逃げるのよ!」


 わーわーぎゃぎゃー騒ぐ3人。


「何をやっとるのじゃ」


 そのようす見て、メオンがポツリと呟いた。


「…………それはそうとしてお主。胸のないものは男に見えるといったが、もしや我も男だと思っておるのか?」


「ん? お前は子供だからどっちか迷ったんだ。髪型的に女だとは思ったがな」


「子供じゃないというておるじゃろう!」


 その後、ボソッと「18歳の状態でもあまり変わらんのじゃがのう……」とメオンが呟いた。

 俺に聞こえないように言ったつもりだろうが、ばっちり聞こえていた。


「発育は人それぞれだからなぁ。でも、18でその体型なら、一生その体型だろうな」


「聞こえておったのか!?」


 しばらく経って、ミナが魔法を撃ちまくって気絶したらしく、レミがミナを背負ってきた。



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