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十一話目 5人の賢者

 グラハム司祭が水晶玉に手をかざし、五秒ほど経つ。すると、


 ビシッ!


 水晶玉に亀裂が入った。亀裂はどんどんと広がっていき、水晶玉は粉々に砕け散った。

 割れた水晶玉から黒い靄のようなものが出てきた。


「……なんと」


「どうなっているんだ?」


「こんな結果になったのは初めてなので、断言は出来ませんが……恐らくギャントルさんの呪いは、想像を遥かに超えた重い呪いかもしれません。少なくとも私では正体を調べきる事は不可能なくらい重い呪いなのでしょう……」


「ふむ」


 実は呪いについて軽く調べた事はあっても、本格的に調べた事は今までない。

 今までは何とか生きていこうと思っていたからな。死にたいと頭の片隅で思ってはいても、呪いを解くための行動を取った事はなかったわけだ。


「お前に解けないなら、誰か解けそうな者はいるか?」


「うーん……一応私は呪いに関してはエキスパートであるという自負があるのです。その私で呪いの正体を調べきるほど困難な呪いを解くとなると……賢者・・から知恵を授かるしかないと思われます」


「賢者か…………あれ? 賢者って何だっけ?」


 聞いた事あるような気がするけど、思い出せない。何だったかな。


「世界には5人だけ、賢者と呼ばれている膨大な知識量を持つ者がいます。賢者は普通では絶対に知りえない知識を知っているらしいので、賢者に聞けば呪いを解く方法を教えてくださるかもしれません」


 あーだんだん賢者について思い出してきたぞ。

 てか賢者って俺も昔そう呼ばれてた時期があったよな。大昔の話だから今の賢者は、その時の賢者が知らないような事も知っているかもしれないが。


「賢者はどこにいるんだ?」


「えーと私たちが住んでいるこの大陸の西端のルートビアの塔に、青の賢者がおられます。南にあるグランダ火山に赤の賢者、北の大いなる霊峰に白の賢者、東の竜王の巣に黄の賢者、そして大陸南東にあるアラム岬から、船を出してずーと行ったところにあるマーダル島の中心に建てられた、暗黒城に黒の賢者がおられます。どこも普通の人間が聞いたら背筋が凍るほどの難所となっております。行くのはお勧めできません」


「なるほどね。教えてくれてありがとう。行ってみるかー」


「いや、難所って言ったのですが……」


「大丈夫だろ」


「自信満々な顔で言い切りますね」


「それなりに腕に覚えはあるんでね。それに何かあっても死なないし。死んだらむしろラッキーだし」


「あのー、不老不死の呪いってのは本当の事なんですか?」


「本当だ。証拠を見せようか?」


 俺は首に手を当ててみる。


「いえいいです……やめてください、信じますので……」


 青ざめた表情でグラハムは止めてきた。


「そうか。じゃ、行って来る」


「ああ、待ってください」


「なんだ?」


「水晶割れたので金貨9枚ください。これ結構高いんですよ?」


「……それが割れたのは俺のせいで、俺が弁償しなくてはならんのか?」


「当然です」


「そうか」


 俺はしぶしぶ金を払った。


「そういえば呪いを解けなかった場合は1枚返してもらえるって言ってなかったか?」


「その分さっきもらった金貨から減らしています。本来なら水晶1つに金貨10枚必要なのです」


「そうなのか……」


 俺はその後、大聖堂を出た。

 無駄に金貨を払う事になったが、とりあえず重要な情報を聞けたのでよしとしよう。


 このまますぐ行こうと思ったが、メオンを宿に置いていたのを思い出した。

 何も説明せずに放った状態で行くのは気が引けるな。

 メオンが起きるのを待ってから、組織がつぶれたことと、俺が助けてやった事を説明してから出るとしよう。


 そう決めて俺は宿に向かった。





現在日間10以内に入っております! 読者の皆様のおかげです! ありがとうございます!

表紙入りを目指しておりますので、

面白いと思った方、続きが読みたいと思った方、

下から評価ブクマを入れていただけると凄く嬉しいです!

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