信用創造
次は通貨の発行制度を見て行く。
多くの国民は通貨がどのように発行されているか知らない。
まず硬貨だが、これは国が発行している。
問題があるのは紙幣の発行制度だ、これを『信用創造』と言う。
国が硬貨を発行する。
これを銀行が預かり、預かった金を貸しだす。
この方法なら、紙幣など存在しない。
だが、銀行は中央銀行に硬貨を預ける、代わりに紙幣を入手し、それを通貨として貸し出す。
これが『信用創造』だ。
中央銀行は銀行が借金をしたいと言った時に、紙幣を無から生み出しそれに利息を取る事が出来る。
そしてその紙幣を銀行が中央銀行に預ける事で、更に無から紙幣を作りだし貸し付ける事が出来る。
なお通貨をどこまで増やす事が出来るのか?と言うのは『無限等比級数の公式』と『銀行法』を見る事で計算が出来る。
こんな『信用創造』だが致命的な欠陥がある。
借金をする者が減った場合、最終的に硬貨の枚数まで通貨の総量が減って行く事だ。
税制で累進税を緩めた場合、デフレになる。
そしてデフレになった社会では借金が減る。
十年後にデフレで5000万円の家が500万円で売られると分かっていたら、住宅ローンを組むだろうか?
給料が十分の一になる事が分かっていて、現在の価値を基準に50年ローンを組むなら、それは五百年分の収入を五十年で得なければ返せないと言う事だ。
『信用創造』と言う油を撒いて『累進税を緩める』と言う火種を付ける。
結果的には日本は借金で火の車と言う人間だらけになる。
『バブル』と言うのはこの事実を隠す為に作られた言葉に過ぎない。
『バブル』も『デフレスパイラル』も人工的に起こす事が可能だ。