棒倒し最強説
前回のあらすじ
ポーションは美味しくない。例えるなら漢方を変に調合した感じ。
不味いマナポーションによりMPを回復した俺は、さらに奥へと進んでいた。
「分かれ道か。どっちへ行こうか」
T字路についた。左も右も、暗くて先が見通せない。
「先に行った奴らがいるんだろ?聞いてないのか?」
俺が聞くと、カイが頭を横に振った。
「いや、どっちにいっても辿り着くらしい。出現するモンスターとか採取品は若干違うけど、ほぼ同じ」
「なるほどな…」
「みんな希望とかあるの?私はどちらでも良いんだけど」
「ボクもどっちでもー。杖が倒れた方向でよくない?」
「それでいいぞ」「うちもそれで」
「ソバタもいいよな?」
「ああ」
全員一致したところで、ゆきが右手に持つ杖をまっすぐ立てた。
「私の棒倒しの正解率は70%…見せてあげる!」
気合いを入れて、棒を倒した。って、
「正解率ってどういうこと?」
「この前定期テストで全部棒倒したら70点取れたんだー」
「勉強しろよ…」
「ママみたいなこと言わないでー!ここはゲーム!」
「そうだぞ。俺なんか前回の世界史、棒倒して72点だったんだからな!」
「そこあんまり張り合うとこじゃ無いんじゃ…?」
カナさんが突っ込む。良かった、常識人はここにいた。
「おいカイ。世界史はノート見せてやっただろ。てか4択だったよな…?」
4択で72点を取る確率は…うっ頭が…
恐るべしカイとゆき。
11:30 am 洞窟エリア
俺たちは右を選んだ後、迷宮を歩き続けていた。頼りない明かりしかない状況でモンスターに襲われる恐怖は、例えゲームであったとしても筆舌に尽くしがたい。
「〈ライト〉!」
ライトの効果時間が切れると継ぎ足すという作業も、これで4回目だ。そして、
「前方、蜘蛛4匹!」
ガンガンレベルが上がる敵感知スキルがモンスターを感知するのはもう何回目なのだろう。数えてはいたが途中で数を忘れてしまった。
「〈ウォーターアロー〉!」
「〈シャインアロー〉!」
光、闇魔法を使い続けた結果、俺はそれぞれ矢を放てるようになった。効果はファイアアローと同じだ。ただ違う点は、ダークアローは暗い場所であるとほぼ見えない。奇襲に最適だろう。シャインアローは逆に光り輝く。今も飛んで言った先が少しだけ照らされて見えた。
「〈ライト〉!」
光球をもう1つつくり、カイたちのそばに置く。それを合図に、カイ、プロム、三条は明かりを頼りに突っ込んだ。これも繰り返す中でだいぶ洗練されてきた。
肉を断つ音が数度聞こえ、やがて聞こえなくなった。と共に、
『戦闘に勝利しました!』
『光魔法がレベルアップしました!』
『敵感知がレベルアップしました!』
これで敵感知はレベル7、光は8だ。魔法は使い続けるとレベルが上がっていくが、敵の難易度や活躍度によっても経験値は変動する、とはゆきの談だ。
「…長いな」
「ああ…」
心なしかみんな元気がない。それはそうだ、暗闇なんているだけで精神を磨耗する。
「こんなん本サービス開始されたらどうするんだ?長時間ログインでもしなきゃ突破できないだろ」
「なんやろな…もしかして」
プロムが神妙な顔で、言った。
「左が近道だったりせえへん?」
「そういえば先程からマッピングしてましたけど、円を描くように回ってますね」
「おいゆき。おまえ間違ったんじゃないか?」
「ま、まあ長いってことは経験値もそれなりだし?稼げるって事で正解なんじゃないかな?」
「目を逸らしながら言っても無駄だぞー」
ゆきは思いっきり目が泳いでいた。まあ、
「みんな納得した上で右選んだんだしいいじゃないか。ボス戦前に連携がうまくなれたんじゃないか?」
「それはあるな。特にソバタなんて熟練のサポートができるようになってて、俺らも楽になってるんだ」
「そんな、みんなに比べればまだまだだよ」
「…あっみんな、注目!あの先に扉っぽいの無いか?ソバタ、ライト飛ばして!」
「了解、ーー〈ライト〉!」
カイの注文通り、光球を飛ばす。この光球はダメージはないが、長時間明かりを灯し続ける。ただ、何かにぶつかると消えてしまうのだ。だから飛ばすのにも最新の注意が必要だ。最初は突然消えてパニックになったものだ。
光球に照らされたのは、洞窟の幅いっぱいに鎮座する巨大な扉だった。
「おーすごい。壮観だなぁ」
「これの向こう側にボスがいるのか?」
「そうだ、ボスの名は牛頭、馬頭だ。ムキムキで3mはあるだろう人型の身体に牛と馬の頭。獲物は釘バッドのようなものらしい。魔法の類はないそうだ」
「ボスは二体なのか?それってつまり…」
「そう、3人チームを2つ作ってそれぞれで倒すの。事前に決めた通りなら、プロム、三条、私。ゆきちゃん、ソバタくん、カイね。それぞれの指揮官は私、ゆき。これでいいかしら?」
カナさんが確認を取る。みんな異存はないようだ。
「それで良いな。片方が先に片付いたらすぐもう片方の援護に。いいな?」
「「「「「了解!」」」」」
「じゃあ、いくぞ!」
カイが扉に触れた。すると、重厚で人の力ではとても開きそうに無い扉はゆっくりと開いていった。
2000PV突破…なんというか、想像もしてなかったですね笑
これからもたたかう奇術師をよろしくお願いします!
ソバタ
人間 男 種族Lv11
職業 ソーサラーLv11
ボーナスポイント12
ATK5
DEF2
MATK6
MDEF2
SPD6
DEX6
LUK2
セットスキル
SP残り10
火魔法Lv9 光魔法Lv8 闇魔法Lv5
鑑定Lv13 軽業Lv8 識字Lv5
魔力回復上昇(微)Lv7 持久走Lv2 罠Lv2
ダッシュLv4 敵感知Lv7 回避Lv3