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たたかう奇術師  作者: 金箔
4日目
32/45

攻撃は計画的に。

前回のあらすじ

サメ撃退

俺はそっと布…もといマーメイドのコスチュームに手を伸ばし、持ち上げた。手触りは…魚?内側はスベスベだが外側は鱗状にギザギザが入っている。長さは1mないくらいか、人魚の下半身ーーつまり人魚の魚の部分ーーのようだ。よく見れば持ち上げた一枚の他に五枚入っている。全員分ってことだな。色がそれぞれ赤、青、緑、黄、灰、桃であった。俺が持っているのが桃色のものだ。

俺は無言でみんなの方へ布を見せた。みんなの反応は…80%が唖然、20%が興奮といったところだ。誰が20%かって?

『凄い!それ履いてみたい!ソバタ、良いでしょ?』

気づかないうちに最接近していたゆきだ。顔が付くんじゃないかってくらい至近距離で布をガン見している。そうか、ゆき的にはこれは当たりなんだな。

「なあ、これ全員分あるんだけど」

俺が言うと、どこからともなく唾を飲み込むような音が聞こえた。俺(私)も着るのか、という心の叫びが聞こえてくるようだ。

『せっかくだし履いてみようよー!楽しいよ!』

いつの間にか装着が終わっていたゆきが早速泳ぎ回っていた。さっきまでも水魔法を応用したと思われる複雑な動きをしていたが、人魚のコスチュームを身につけてさらに磨きがかかっている。本物の人魚と言われても納得しそうである。

『おい三条、お前も付けてみろよ。黄色好きなんだろ?』

『まあ付けてみるか!』

人魚のコスチュームで驚き、ゆきの軽やかな舞で驚き、さっきから呆然としっ放しだった4人+俺はやっと再起動し始めた。カイが三条に黄色の布を押し付けている。ちゃっかり自分も青を持っているのは…付けたくなったのか?え?

『カナ、うちらも付けてみいへん?カナなら合うで?』

『恥ずかしいけど…プロムも付けるなら、まあちょっとだけ…』

女性陣も付けるようだ。プロムは赤、カナさんは緑を手に持つ、それぞれの色がよく人物にマッチングしている気がする。さて、俺も付ける流れか。残っているのは…灰色か。目立たなくて良いや。

海パンに着替えた時のようにメニューから装備変更を選択し、脚部の装備にマーメイドのコスチュームを入れる。装備…うん、まあ装備っちゃ装備か。

選択した一瞬後に足に違和感が生じた。2本あった足が一本になったというか、そんな感覚だ。下を見れば、灰色の魚の身体が下半身を包んでいた。なんか複雑な気分だな。

現実逃避するように周りを見渡すと、そこは人魚の集団が楽しそうに泳ぎ回っていた。え、みんな慣れるの早すぎない?

俺も試しに下半身を動かしてみる。学校で習ったドルフィンキックのように、水を掻き蹴ると…

「おお…」

かなりのスピード、それこそ人間の足では出せないだろう勢いで進んだ。これならサメからでも逃げれるんじゃないかとも思える。

それにしても…と、女性陣に思わず目がいく。

元スク水だったゆきはスク水の下の部分が人魚の魚の部分に重なっていてよくわからないことになっている。が、プロムやカナさんはビキニだからか、おとぎ話に出てくるような人魚そのものだ。なんというか、もう感服しました…

『じゃあこれにも慣れたし、地下二階にでも進むか?』

三条の言葉で目が覚めた。三条の方を見れば、筋骨隆々の人魚…なんというか、失礼だがいろんな意味でさめた。

『そうね、じゃあまた同じチーム分けで行きましょ』

『ソバタ、階段まで案内頼むわ』

カイに言われて、マップを確認する。ここから階段までは…割と近いな、ウロウロしていた時にこの部屋は見落としてたのか?マップ上では、かなり端、それも入り口から遠い場所になっている。

「よし、じゃあ行くか」


3:30 pm 海底迷宮・地下二階

『地下2階に到達しました!』

『中継ポータルを使用可能になりました!』

階段まで進み、いざ降りてみるとこんなインフォが聞こえた。中継ポータル?

「中継ポータルってなんだ?」

『ポータル間を自由に移動できるんじゃないか?だから例えばここの入り口から直接ここに来られるとかさ』

なるほどな、要はショートカットできるってことか。確かに一旦出るのもまた入るのも、同じ道を辿るのは長いからな。

『まあ今は関係ないさ。先へ行こうぜ』

三条の言葉に従って、階段を降りーー泳いでだがーー切った。

二階は一階よりもかなり広めの通路よようだ。ただ壁や天井などの基本的な装飾は変わらないな。そろそろ見飽きて来たぞ?

『これだけ広ければ6人で同時に戦えるな!』

6人で戦う…確かに広さは十分だ。だけどさ、

「人魚の格好でやるのか?」

未だ全員マーメイドのコスチュームを付けているのだ。足を地につけて戦えない状況では戦闘をし辛いのは自明だ。

『これも何かの縁ってね。こういう場所には使えるものが宝箱に入ってるもんなのよ』

隣を泳ぐカナさんが教えてくれた。ゲームの常識ってやつか?

『何事も慣れだよ慣れ。俺はもう泳ぎながら斬り合いもできるぜ!』

「廃人様と一緒にするな」

カイの常識外れな発言に思わず返してしまった。が、周りの反応が思ったものと違った。俺の想像では「そうだそうだー」みたいな雰囲気なんだが…

『え、ソバタできないの?』

『練習すればこのくらいはできるで?』

当然のような顔で次々曲芸をやってみせるパーティメンバーを見て思い直した。この人たちは、カイが集めたんだ。つまり…全員ゲーマーだったんだ。

いや、知ってはいたよ。でもカイよりは常識を持った人たちだったから、つい俺と同じカテゴリにしてしまっていた。

『まあそんな落ち込まないでさーそのうちできるようになるって!』

ゆき、その言葉は逆効果だ。


4:00 pm 海底迷宮・地下二階

6人で同時に行動していたため、マップを埋める速度は遅かった。ただモンスターと遭遇した時は、瞬殺と言っていいほどすぐに片がついた。すごいなこのパーティ…これが普通なのか…?このモンスター、だいぶ強そうだったのだが。ちなみに、殺される前に鑑定したものがこちらだ。


マーマン Lv31


キラーゼリーフィッシュ Lv35


マーマンは一言で表せば魚人だ。俺と同じくらいかそれ以上の背丈に細身。頭はなんと魚である。どういう骨格をしているのか、顔は人間と同じ場所にある。なんというか、見てて寒気がする出で立ちだ。それをなんとカイが一撃で切り捨て、プロムが胴体を槍で貫通させ、三条は魚人を形容しがたいスクラップにしていた。なんて奴らだ…

さらに出てきたクラゲであるが、とにかくデカかった。クラゲって可愛いイメージがあったのだが、視界いっぱいにおぞましい触手が(割愛)とにかく暫くはクラゲを見たくないな。

ちなみにクラゲはゆきが氷漬けにしていた。


さて、幸運にもだいぶ直線で歩いていたのにもかかわらず、宝箱へたどり着いた。ここで俺は三条へ意趣返しをした。

「つぎは三条が開けてくれよ」

俺がいうと三条は爽やかな笑顔とともに即答した。

『いいぞ』

さっき俺に罠を注意しろといったくせに無造作に手を伸ばす。もう忘れたのか…

三条が宝箱に手を触れ…!?急に敵感知が鳴った?

「敵感知!」

すでに条件反射になりつつある敵感知の知らせを口にしながら杖を握りしめる。どこだ?

『うおっなんだこいつ!噛みやがった!』

三条の悲鳴に振り返ると、なんと宝箱が三条の腕に噛み付いていた。これモンスターだったのかよ!

『それ罠じゃん!三条自分で言ってたじゃん!行くよ!〈アイシクルピラー〉!』

呆れながらゆきが氷柱を宝箱に投げつける。って、

「おい、三条に当たるんじゃないか?」

ゆきはこっちに振り向いて言った。

『三条は固いから大丈夫!』

とても眩しい笑顔でグーサインを頂いた。ええ…

『冷てぇ!いてぇ!クソ、この野郎!』

噛まれた右手ごと氷漬けにされた三条は、左手を背中を回し、背負ってあった斧を手に持った。そして…

『〈クラッシュ〉!』

躊躇なくスキルを発動させた。待て、その軌道は両断すれば腕も…

『痛え!ああああ!!!』

『あーあ…なにやってんだ三条…カナ、ヒール頼むわ』

案の定宝箱ごと腕を切り落とした三条に呆れる一行。あんなにいい人に見えた三条だが、今やただの天然にしか見えない。


『えー…この部屋はこれで終わりなんかな?』

三条が完全回復ーーヒールをかけてもらった結果腕が生えるように回復したーーした後、最初に口を開いたのはプロムだった。

『そういやなんもなかったな。隠し扉とかありそうなんだけど』

カイはそういいながら部屋を調べている。この部屋は一階にあった宝箱の部屋と一緒…ん?

「なあカイ、そこ怪しくないか?」

俺の記憶が確かなら、宝箱が置いてあった場所の周りにこんな四角の線はなかったはずだ。この大きさは、まるで…

『階段の幅と同じじゃない?』

カナさんが俺と同じことを思ったのか、代弁してくれた。

『ならこれを壊せば階段が出てくるんだな!〈クラッシュ〉!』

怪我が治った三条が、鬱憤を晴らすように斧を振りかぶり…床を叩く!っておい、また無計画に…


『お、ビンゴみたいだな』

床の一部が粉々になり、奥に階段が見え隠れした。本当にあるのか…

ソバタ

人間 男 種族Lv19

職業 マジシャンLv7

ボーナスポイント8

ATK10

DEF2

MATK12

MDEF2

SPD11

DEX11

LUK2

セットスキル

SP残26

火魔法Lv13 光魔法Lv20 闇魔法Lv17

雷魔法Lv7 時空魔法Lv16 奇術Lv20

鑑定Lv29 軽業Lv29 識字Lv10

魔力回復上昇(微)Lv22 持久走Lv5 罠Lv4

ダッシュLv8 敵感知Lv20 回避Lv15

隠蔽Lv5 殴打Lv2 高速詠唱Lv12 杖術Lv7 水泳Lv20 マッピングLv-


取得呪文

ファイアボール

ヒートタッチ

ファイアアロー

フレイムラジエーション

シャインボール

ライト

シャインアロー

ホーリーライト

???

ダークボール

カモフラージュ

ダークアロー

イビルスピリッツ

ライトニングアロー

ボルトタッチ

ディメンションアロー

フライ

テレパス

マジカルピジョン

カード

アテンション

???

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