迷宮は迷うから迷宮と言うんだ
前回のあらすじ
闘技大会開催決定!
11:30 am 海エリア
探索を始めて何時間も経った。そこそこ多い魚介類と、真珠やアイテムを入手できている。まさにホクホクである。あと時空魔法がレベル13になり、新しくテレパスという魔法を得た。使い方がわからず放置しているが。
さて、俺は今海底において立往生しているのだが、理由は目の前の地下への階段を発見したためだ。こんな海底にいきなり階段っておかしいだろと思わなくもないが、そこはゲームだから…で強弁出来るのだろうか。
地下への通路の入り口は人が縦に2人入るかどうかくらい…3m×3mくらいか。つまりかなり狭い。こんな場所で戦闘になれば、杖は振り回し辛いだろう。まあそもそも水中では抵抗で振り回せない筈なんだけどな。カイとかどうやって振ってたんだあれ…
地下は真っ暗だから、明るくする必要があるな
「〈ライト〉!」
光球をだし、前方へ配置。その光球を護衛するように、出しっ放しの鳩を置いた。ちなみに鳩は現在68羽飛んで…いや、遊泳?している。入り口を入ると、すぐ地面が見えた。前に長い一本道が見える。いわば地下一階ってところか。
泳ぐこと数十秒、早速丁字路に差し掛かった。これはどちらへ行こうか…ゆきやカイみたいに棒を倒してみるか。
俺は持っていた杖を地面に垂直に置く。…これ、どう倒せばいいんだろう。気合いでも入れてみるか?
「はあアアアアア!」
掛け声とともに杖を離した。と、ゆっくりゆっくり、右へ傾いていった。そうか、そういえば水の抵抗もあったな、とふと考える。
杖が完全に倒れたところで拾い直し、右へ進むことにした。光球を先行させ、俺も泳ぎだす。ここにはモンスターはいないのか?
その思考がフラグになったのであろうか。突然敵感知が作動した。俺は袋に入れようとしていた杖を取り出し、構える。さて、何が出るのだろうか。光球を下げ、じっと構えていると、先の十字路からなにかが出てきた。すかさず鑑定を発動する。
ソードスクイッド Lv12
和訳するとすれば…剣のイカ?イカか。とりあえず鳩で突撃だな。俺は格子状の壁になっていた鳩のうち17羽をイカの方へ向かわせる。光魔法をセットした半分の鳩は、光球程ではないが輝き、イカの全容を照らし出した。ーーちなみにもう半分は時空魔法であるーーイカのリアルな姿をちゃんと見たことがないのでなんとも言えないが、やけに胴体?頭?が長い気がする。それに光が反射して…あれは金属光沢?つまり…
そう思っている間に鳩が到達した。が、俺は見てしまった。イカが体を捻り勢いをつけ、先頭の鳩を切り捨てた!まずいな、あれに斬られればタダでは済まなそうだ。遠くから鳩を当てて行こうか。俺は距離を取るために後ろへーーエレメンタリーバックストロークだったか、学校で習った奴だーー下がる。が、イカが迫るスピードの方が速い。これは来る前に削り切るしかないか。残りの鳩を出動させ、俺は鳩を補充する。
「〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉」次から次へと出て来る鳩を引っ切り無しに突撃させる。が、どうもオートでは愚直に飛んで、そのままイカに切り捨てられている。難しいが、自分で操作したほうがよさそうだな。イカの弱点は分からないが、恐らく剣状になっている部分以外は柔らかいのだろう。そこを狙おう。ただ単に狙っても切り捨てられるなら…
「〈アテンション〉!〈マジカルピジョン〉!」
幻の鳩軍団を出現させた。これを別方向から飛ばせばそちらに注意が向かうはずだ!
「幻の鳩の方は左から、他は右から突撃だ!」
鳩を細かく動かすには口頭で言わなければならないことを、この前確認した。よくよく考えれば鳩に言葉が伝わるのか、とか指摘したいことが山のように出て来るが、それはご法度だろう。まあそれはともかく、闘技大会の為にも鳩を効率的に使う練習はしないといけないな。まだまだ単純な行動しか取らせられない自分に少しイライラもする。
イカは予想通り大きく左に旋回した鳩(幻)に矛先を向けている。触手など柔らかそうな部分は右にある。ここへ鳩(本物)が次々接触し…イカは力を失ったかのように漂い始めた。どうやら倒せたようだ。幻の鳩たちは消えている。どうやらこの幻は本物が消えると同じくして消えるようであった。
『戦闘に勝利しました!』
『敵感知がレベルアップしました!』
『光魔法がレベルアップしました!』
『時空魔法がレベルアップしました!』
『奇術がレベルアップしました!』
こちらに矛先を向けたときは若干ヒヤヒヤしたが、鳩の爆撃でなんとかなったな。それにしても、鳩って単体の威力は低いのか?確かに群体として出す魔法ではあるけど、何十と当ててそんなに相手を倒せないって悲しくなるな…なにか鳩を強くするスキルってあるのか?なさそうだけど…
そんなこんなで、スキルを色々な方面から検索してみる。が、見つからなかった。実装されていないのか検索の仕方が悪いのか…これは弱点に当てるとかの工夫で誤魔化すしかないな。俺は若干しょんぼりする。
気を取り直して、進むか。
11:55 am 海底迷宮・地下一階
潜って幾ばくか経った。だいぶ分かれ道が多く、その度に棒を倒した。未だに出口にはたどり着けない。なんか不安になってきたな。一旦戻って、カイたちに協力を頼もうか?そんな思考が頭をよぎった。…戻るも何も帰り道わからないが。確かにこの迷宮は狭いが分担して探すぶんには人数は関係ないし、今は恐らく俺の独占ではあるが、攻略できないのであれば意味はない。後で連絡…連絡ってどうすればいいんだったか。メールが打てるんだっけ?面倒だな…ん?そういえばさっき得たテレパスって魔法…もしかして連絡手段なのか?
俺は微かな希望に動かされ、魔法を行使した。
「〈テレパス〉!」
『通話相手を選択してください』
唱えた直後にインフォがきた。いや、インフォではないが…名称に困るな。まあそれはさておき。選択画面に出たのは実に単純、2択だった。それもフェイとカイである。…フェイにかけたいという願望もあったが、恥ずかしさに打ち負けた。俺はカイを選択する。
『テレパス接続中…接続されました!』
インフォの直後に、まるで電話が繋がったかのような音が流れた。
『…ソバタか?これはなんだ?』
カイの声が頭に響く。なるほど、テレパスってこんな感覚なのか。
『おうカイ。テレパスって魔法を使ってみたんだ』
『なるほどな…それで?ただ電話をかけただけじゃないんだろ?』
「察しがいいな。今海底を探索してて洞窟みたいなものを見つけたんだが、中々、中が複雑でな。…ってなんで笑う」
俺が真面目に状況を伝えていると、唐突にカイの笑い声が流れてきた。これ微妙にうるさいな。音量変えられないのか?
『いや、ダジャレが面白いなと思ってな…フフフフ…フゥ、で、迷宮か?それ何処らにあるんだ?』
数秒置いて落ち着いたカイが興味を示したように聞いてくる。やっぱりカイはゲーマーだな。
「第3の町からかなり離れたところだ。詳細な位置は…分からんな。マッピングしてない」
『お前は今その中にいるんだな?…お前迷ってないよな?』
「…」
図星すぎて言葉に詰まった。流石はカイだな。もう自分をごまかすのはやめて率直に言うか。
「…助けてくれ迷った」
更新遅れてすいません。金箔は風邪でやられてました。
ソバタ
人間 男 種族Lv17
職業 マジシャンLv5
ボーナスポイント4
ATK10
DEF2
MATK12
MDEF2
SPD11
DEX11
LUK2
セットスキル
SP残32
火魔法Lv13 光魔法Lv18 闇魔法Lv15
雷魔法Lv7 時空魔法Lv14 奇術Lv18
鑑定Lv25 軽業Lv26 識字Lv10
魔力回復上昇(微)Lv19 持久走Lv5 罠Lv4
ダッシュLv8 敵感知Lv19 回避Lv15
隠蔽Lv4 殴打Lv2 高速詠唱Lv10 杖術Lv7 水泳Lv15
取得呪文
ファイアボール
ヒートタッチ
ファイアアロー
フレイムラジエーション
シャインボール
ライト
シャインアロー
ホーリーライト
ダークボール
カモフラージュ
ダークアロー
イビルスピリッツ
ライトニングアロー
ボルトタッチ
ディメンションアロー
フライ
テレパス
マジカルピジョン
カード
アテンション