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たたかう奇術師  作者: 金箔
3日目
24/45

2人だとやっぱり厳しいかもしれない

前回のあらすじ

空中を飛びながら弓矢を命中させるフェイ。まさに神業

8:20 pm 洞窟エリア

俺たちは洞窟の入り口に立っていた。

「ここから先は俺がライトを使う。あとフライも使うが大丈夫か?」

「慣れたから平気。熊が出るんでしょ?」

「そうだな。熊の一撃を喰らわない距離を保つためにフライを使っておきたいんだ」

「了解、じゃあ行きましょ」

「〈ライト〉!〈フライ〉!」

光球が生まれるとともに体がふわりと浮く。これに加えて…

「〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉!」

闇色の鳩を48羽、俺とフェイの周りに着かせる。これで奇襲されても鳩でカバーできるだろう。

「こんな使い方もあるのね。ソバタくんだけ他のゲームしてない?」

「これが1番安全だからな」

こうしてまっすぐの道をフライで飛んで行った。


「ここが例の別れ道?」

「どの例かはわからないが、そうだな。前に来た時は右へ行って酷い目にあったんだ」

フェイはこっちを見て問う。

「酷い目って?」

「ひたすら長い道を行軍させられたんだ。危うくノイローゼにでもなるところだった」

「じゃあ左のほうがいいの?」

俺は思案する。なるべく長くフェイといたいし、左は行ったことがないから何が出るかも不明だ。

「…フライが使えるし、右でもいいんじゃないか?道もわかるぶん、そっちの方が安全だ」

「わかった。ソバタくんがそう言うなら右へ行こうかしら」

そう言って俺たちは右へ曲がった。


飛び続けること1分足らず、敵感知が反応した。

「敵前方、熊3!」

「了解、先に私にやらせて!」

「わかった、〈ライト〉!」

俺は新たに光球を生み出し、熊野いる方向へ飛ばした。飛んで行った先には、案の定熊が3体、光に照らされ眩しそうにしていたのが見えた。

「よし、いくわよ…〈スナイプシュート〉!」

引き絞った弓矢に淡い光が放たれる。スキル特有の赤とも青とも白とも言い難い、綺麗な光だ。狙いを定めるフェイの姿を照らし出し、まるで物語に出てくるような女神に見えた。と、矢が放たれた。

「グオオオオオオオ!!!?」

一直線に熊の脳天に入った矢は、そのまま熊を撃沈させた。この声は刺された熊ではなく別の熊のものだろう。俺も援護するか。

「〈カード〉!」

引いたカードは…ワンペアか。

「ワンペア!」

カードが淡く光る。おそらく切れ味が良くなったのだろう。俺は5枚のカードを熊に向けて放った。

シュッと子君のいい音を立てて指を離れ、熊の下半身に刺さる。同時に胴体に矢が刺さった。フェイによるものだろう。最後の1体は…と探したが、もう沈んでいた。さすがフェイ、仕事が早い。

『戦闘に勝利しました!』

『闇魔法がレベルアップしました!』

『光魔法がレベルアップしました!』

『時空魔法がレベルアップしました!』

『奇術がレベルアップしました!』


「いい調子ね。私も時空魔法取得して自前で飛ぼうかしら」

「いいんじゃないか?かなり便利だぞ」

「…よし、光と闇魔法入れたわ。弓はしばらく要らないわね」

フェイは切り替えが早いようだ。


また飛び始めてから10分おきくらいか、10数度戦闘した気がする。マナポーションも何回か飲まざるを得なかった。と、敵を感知した。

「前方、熊5!…右に熊2!」

「まずいわね。どうする?」

フェイが問いかけて来た。

「…まず右の熊を俺が倒す。前にいるやつは、弓と魔法でチマチマ倒して行こう。熊の中に魔法を使えるやつがいた場合は、フライで常に動いた方がいいな」

「了解、初撃は任せたわ」

「鳩たち、行け!」

ずっと側に控えていた鳩を右へ急行させた。一瞬後、激しい音と砂塵を立て、鳩の群れが熊を襲った。どうやら熊は沈んだようだ。

「〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈カード〉!…よし、スリーカード!」

鳩を補充し、カードを引く。5枚のうち、3枚が9だった。スリーカードを宣言すると、俺とフェイの体が淡く光る。どうやらパーティ全体に効果が出る組み合わせのようだ。

「これ、どうなったの?」

「たぶん何かいい効果が出てるはず」

「そんな適当な…まあいいわ、準備ができたのなら…行くわよ!〈ダブルシュート〉!」

「行け!」

フェイが撃つと共に、俺も鳩に襲撃させる。

と、反撃とばかりに土の塊が飛んで来た。やはり魔法を使える熊が紛れていた。

「〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉ソーサラーベアーがいる!気をつけて!」

俺は半数の鳩を俺とフェイの前方に配置し、残りを襲撃させた。これである程度は防いでくれるはずだ。

フェイがまた一矢放ち、その度に熊が倒れる。恐らく矢がすごいんじゃなく、弓を扱う技術がすごいのだろう。暗い中、目標は遠く、さらに遠距離攻撃もしてくるという三拍子揃った悪環境なのにもかかわらず、全て命中している。

「〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉行け!」

鳩を出して突撃させるというある意味作業をしている傍、フェイにどうしても目がいってしまう。

「!?熊増援!前方4追加!」

「まずいわね…このままだとまた増援が来るの繰り返しかも」

「じゃあ…横抜けて走り去るか?」

フェイはそれだ!とばかりにこちらを向いた。

「いいわね!横を鳩で固めていればいけるんじゃないかしら」

「わかった、じゃあそれで行こう…〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉行くぞ…今だ!」

叫んだ瞬間、フェイが全速で走っていった。俺もスピードを上げて追いかける。前方にいる熊がだんだんと迫って来る。距離50m…30m…10m…怖くないといったら嘘になる。しかし、目を瞑れば制御を失って落ちたり、熊に襲われるかもしれない。なにより、この作戦を立案したのは俺だ。これでフェイを死なせるわけにはいかない!俺は目をカッと開いた。入って来る風が少々痛い。こんなところまで再現しなくてもな…と一瞬思う。

熊たちが眼前に迫る。顔がよく見えた。矢が刺さっている個体もいた。非常に怒り狂ってるところ申し訳ないが、ここは退散させてもらおう。襲って来る熊もいたが、スピードで振り切れたようだ。前ではフェイが待っていた。

『戦闘に勝利しました!』

『敵感知がレベルアップしました!』

『光魔法がレベルアップしました!』

『闇魔法がレベルアップしました!』

『時空魔法がレベルアップしました!』

『奇術がレベルアップしました!』

今のは勝利にカウントされたのか。なんか腑に落ちない…

「おつかれー。大丈夫だった?」

「ああ、肝が冷えたが問題はない。フェイは?」

「私も大丈夫。…この先にでかいドアがあったけど、それがボス部屋だよね?」

「そうだな。一応言うと相手は遠距離攻撃を持っていないから、フライで駆け回りながら狙撃すればたぶん勝てる…はずだ」

俺が心配なのは、弓矢の火力だ。正直言うと、あの巨体にこの小さい矢が刺さってもダメージにならないんじゃないか、と思ってしまう。

「もしかして、私の火力不足を心配してる?」

「…見抜かれたか」

「顔に出ていたわよ。火力はスキルと矢で補うから大丈夫よ。見る?」

そう言ってフェイは矢を手渡してくれた。あっ今手が触れた…


毒矢 品質B

鏃に毒が塗られた矢。危険品。


鑑定すると物騒な単語が並んでいた。

「…これ、高いんじゃないか?」

「元々弓矢は消耗品だから。それに本業で儲かってるし、アイテムも稼げてるから…ね?」

フェイは心配しないで、と言外に伝えてきた。それなら俺は何も言うまい。

「わかった。…そうだ、そろそろ新しい呪文が手に入ったはず。確認していいか?」

フェイの目が心なしかキラキラした。

「いいわよ、私も見たいわ」

フェイは好奇心が強いようだ。


得た呪文は、光、闇、奇術の順にホーリーライト、イビルスピリッツ、アテンションという名前だった。早速使ってみる。

「〈ホーリーライト〉!」

唱えた数秒後、光球が眼前に出現した。一瞬、ライトと変わらないのか、と思ったが、なにか温かい波動を感じる。なんだろう…

「これ、ライトと何が違うの?」

「なんだろう…効果不明な上にライトと違ってMPも時間あたりで削れるし、これは後でいいか」

「そうね」

フェイが若干しょげてしまった。これはまずい。俺は次の呪文に期待を寄せた。

「〈イビルスピリッツ〉!…」

呪文を唱えたが、また何も起こらない。なんだこれは…

「…ねえ、ソバタくん?なんで君のマーカーが赤になっているの?」

「マーカー?」

馴染みのない単語が出てきた。マーカーってあれか、ペンみたいなやつ?

「マーカーっていうのは、生き物の上についてる小さな逆三角形のことよ。見たことなかった?」

そう言われるも、見たことはない。

「心当たりはないな」

「じゃあ私のここ、よく見て」

そう言って、フェイは自身の頭を指差した。

「…あっ」

「あったでしょ。プレイヤー同士は緑、モンスターは赤で表示されるのよ。普通は」

「で、俺は今赤いのか」

「そういうこと…今倒したら経験値になるのかしら?冗談よ、本気にしないで」

一瞬身構えてしまった。

「モンスターから敵じゃないと思わせる魔法かしら?まあでも今回は使わないほうがいいわね。何が起こるかわからないし」

「そうだな。じゃあ最後…〈アテンション〉!」

魔法を唱えた瞬間、視界の右上に『アテンション中』と表示された。

「これ、何すればいいんだ?」

「とりあえずなにか魔法を唱えてみたら?」

フェイに言われた通り、魔法を使ってみる。

「〈ファイアボール〉!」

選んだ魔法は、最初に使っていた火球をーー最近は使わなくなって久しいためか、妙に懐かしいーー右手に浮かばせてみた。

それを見て…いや、フェイは左手を見て首を傾げた。

「なにかしら。左手にある火球に妙に注意が惹きつけられるわね…これがアテンションの効果なのかしら?」

「え?出した火球は右手にあるぞ?」

どういうことだ?

「右?…あっ確かに右にもあるわね…左のは出してないのね?」

俺は左を見てみる。と、そこには出した覚えのない火球が浮かんでいた。

「熱を感じないな。ってことはこれは幻影か?」

「触ってみるわね。えいっ」

「ちょっ、危ない…消えた?」

静止する間も無くフェイは左の火球に触れ…火球は消えた。

「つまり、幻影を出して本物の魔法の気配を紛らわす、みたいな魔法でいいのかしら?」

「そういうことみたいだな。どう使おうか…」

同時に違う軌道を描かせて投げれば、避けるのは難しいだろう。むしろ投げないで油断させることもできるかもしれない。ただ…

「モンスター、しかもボスにどれだけ通用するかな」

「それは確かめてみないとね…まあこれは使ってもいいんじゃないかしら?」

「そうだな。…じゃあ確認は終わりだ。準備はできてるか?」

「ええ、勿論。私にとって初めてのボス戦よ。死なないでね?」

「フェイもね」

期せずして、同時に扉へ触れる。前回と同じように、重低音を立てて扉が開いていく。気を引き締めていくか。

いつも見てくださってありがとうございます。思ったよりご指摘が多く、戸惑い半分、嬉しさ半分です。奇術師をより良くするため、指摘いただいた部分は順次改善していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

後、アテンションについてですが、smithさんの意見を参考にしました。提案、ありがとうございました。


ソバタ

人間 男 種族Lv16

職業 マジシャンLv4

ボーナスポイント2

ATK10

DEF2

MATK12

MDEF2

SPD11

DEX11

LUK2

セットスキル

SP残20

火魔法Lv13 光魔法Lv14 闇魔法Lv14

雷魔法Lv6 時空魔法Lv8

鑑定Lv21 軽業Lv22 識字Lv10

魔力回復上昇(微)Lv16 持久走Lv5 罠Lv4

ダッシュLv8 敵感知Lv15 回避Lv10

隠蔽Lv3 殴打Lv1 高速詠唱Lv8

奇術Lv14 杖術Lv6 水泳Lv8


取得呪文

ファイアボール

ヒートタッチ

ファイアアロー

フレイムラジエーション

シャインボール

ライト

シャインアロー

ホーリーライト

ダークボール

カモフラージュ

ダークアロー

イビルスピリッツ

ライトニングアロー

ボルトタッチ

ディメンションアロー

フライ

マジカルピジョン

カード

アテンション

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