フェイもゲーマーでした。
前回のあらすじ
カイ(もうみんな知ってるんだけどな!)
8:00 pm 第1の町・中央広場
ログインし、約束の場所にやってきた。…前回は、来たと思ったらムンコが来たんだっけか。あの時は焦ったな。ホモと勘違いされそうになった。
「おーい!お待たせ!」
後ろから声をかけられ、振り向く。と、狩人風の装備に緑のミニスカートのフェイが走って来た。
「ソバタくん凄いカッコだね…」
「買わされたんだよこれ。一応ステータスの伸びもあるし、仕方なく着てるんだ」
「いや、似合ってるわよ?」
そう言われると嬉しく感じる。…似合ってるのかな?
「そうだごめん、待った?」
きた、定番の質問ーーカイ曰くーー。ここで待ったなどと言ってはいけないんだっけか。
「俺も今ログインしたところだ。じゃあ行くか?」
「うん、がんばりましょ!」
俺の選択肢は間違ってなかったようだ。さて、気合いを入れよう。フェイが死に戻りしないように俺が頑張らないと。
「まずは互いの実力の確認かな。フェイは…弓か、どれくらいかお手並みを見たいんだけど」
「いいわよ。じゃあ…あれで。…」
獲物を指定したフェイは、まるで神業のように矢を持つと、いつの間にか放っていた。す、すごい…
「よし、当たった」
完璧な技というのは、無駄を最大限省いたものなんだと、改めて確認した。
「じゃあ次はソバタだね。私の杖の活躍、期待してるよ?」
「期待もなにも、野犬は一撃だからな…じゃあ、あそこの群れで」
俺が指差したのは、10匹程度の野犬の群れだった。
「…ん?なんかでかいの紛れてない?」
フェイが俺の指差す方を見て、発言した。俺もよく見直してみる。
「…でかいやついるな。まあ大丈夫でしょ。…〈マジカルピジョン〉〈マジカルピジョン〉」
22匹の鳩をハットの中から出してみせた。何故かって?…カッコつけたかったからだよ言わせるな恥ずかしい。
「すごっなんか手品師みたい!」
「ジョブがそうだからな…いけ!」
火と光をセットした鳩は、それぞれの軌道を描いて野犬に襲いかかった。普通の野犬には1羽ずつ、でかいやつには13羽ぶち込んだ。オーバーキル?確かにそうかもしれない。あたりに砂塵が巻き上がった。
「凄いけど、オーバーキルじゃない?」
「それは思った」
『戦闘に勝利しました!』
レベルの低い野犬を狩ってもスキルのレベルアップはしないな。先を急ぐか…いや待て。
「そうだ、フェイ。飛びながら撃てるか?」
フェイは不思議な顔をした。
「飛ぶってどういうこと?ジャンプ?」
「いや、これは実際にやったほうがいいか…〈フライ〉!」
俺とフェイにフライを掛けた。
「おおっ!凄い!あっでも下見ないでね?」
そう言えばフェイはスカートだった。鼻血でそう…見なかったよ?俺は白い(割愛)
「この状態で撃つのは…うん、慣れればいけそう。進みながら練習していいわよね?」
「ああ、構わない。むしろそのつもりだ」
できないと言わないところがゲーマーのすごいところだ。カイといいあいつらといい、曲芸並みの技術をすぐ習得し、いとも簡単にやってのける。たかがゲームでなにを誇る、という人もいるが俺はそうは思わない。すごいものは素直にすごいと思う。そう考えている間にもフェイは慣れてきたのか、猛スピードで野犬を殲滅している。…と、戻ってきた。
「慣れてきたからこれで行くことにするわ。呪文の継ぎ足し頼むわね?」
「ああ、じゃあ洞窟まで飛ばして行くか…〈フライ〉!」
そうして俺たちは最速で洞窟まで飛んで行った。…道中の野犬やゴブリンたちは鳩で自動攻撃してみたら奇術がレベル1つ上がったみたいだ。なんか母艦にでもなった気分だ。
毎度短くてごめんなさい。orz
本日14:00頃、ご指摘を受けてあらすじを全て改変しました。ムンコによるお目汚し、申し訳ございませんでした。