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どうなる、俺の異世界執筆活動。  作者: 土塊ナパンナ
7/22

第七編 やっぱり、先生は偉大でした。

  気が付けば知らない場所にいた。

 僕は落ちたんじゃ……終わる為に…あの場所で終わった筈なのに…


「ここは………」


 不思議なところにいた。

 高く積まれている色とりどりのクッション、畳の上には大きなちゃぶ台と座布団、和箪笥にあの…統一感のない部屋。


「良かった、起きたか。ノカ爺、起きたみたいだ。」


 知らない部屋に知らない男の人がいる。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここは……どこ………」


  どうやら、気がついたみたいだ。

 不思議そうに辺りを見回している。

 しょうがないよな、初めてこの部屋を見た人はそんな反応をするだろうな。


「良かった、起きたか。ノカ爺、起きたみたいだ。」

「おはよう、夢追い人よ。よく眠れたかの?」

「えっ!…………誰、ですか。」


 声に驚いたのか、俺を凝視している。

 とりあえず、ノカ爺を紹介するために彼をドアの近くに来るように呼んだ。

 恐る恐るという風に近づいてきた彼はノカ爺の姿を見ると目を見開き唖然と立ちつくしていた。

 また、倒れないだろうな。


「初めまして、驚いてるところ悪い。俺の名前は乃田翔吾。こっちはドアノッカーのノカ爺だ。」

「あっ、えっ……と、は、初めまして。ぼ、僕は逢坂健太…です。」


  不安そうに怯えた表情をする逢坂君にノカ爺は柔らかな声で喋りだす。


「ホッホッホ…そう怯える必要はないぞ。

 夢に疲れた夢追い人よ。ようこそ、始まりの場所へじゃ。お主は、何か目指していた夢や追い掛けていた夢はないかの?ここはそんな夢に疲れた人達が集まる場所。この扉の先の異世界で君は自分の価値をきっと見つけるじゃろう。」

「……あぁの、ゆ、夢追い人?い、異世界?な、何のことを言ってるんですか?そもそも…僕はあそこから…」

「まーた、あいつらは仕事をサボって説明せんかったのか。しょうのない奴らじゃ〜」

「ち、違います、僕が気絶しててちゃんと聞いてなかったからダメなだけで…すみませんすみません。」


  気まずそうに頭を下げる大阪を宥めながらこの異世界のことを話してやった。

 最初は半信半疑の逢坂君だったが、リュックサックに入れていたゴブリンの死骸を見せるとなんとか納得したようだ。

  俺は、これから一緒に旅をするかもしれない仲間を思い、もっと打ち解けようと話題を振っていく。


「そう言えば、逢坂君はどうやってこっちの世界に来たんだ?俺は、変なウサミミ少女を追いかけたらこっちに来てさー」

「あっ…、その……っと……………すみません」

「お主…それはデリカシーがないの〜」


  何か言おうとしたが顔をうつむけ唇は震わせ今にも泣き出しそうになってしまった。

 …………可愛い。

 いやいや違う違う、今はそういうことを言ってる場合じゃないんだ。おもいっきり地雷を踏んでしまった。ノカ爺にもダメ出しをくらった。

  話題を逸らそうと焦るおれは、ふとテーブルの上にあるものが目に付いた。


「そ、そそういえば逢坂君はまだスキル取ってないよな、テーブルの上にある洋菓子と和菓子と小瓶でスキルが手に入るから試したほうがいいぜ。でも、1つまでなんだってさ。力の取り過ぎは身を滅ぼすんだってさー怖いよなー」


 メチャクチャ恥ずかしい。大の大人がアタフタと慌てふためいてみっともないと思ったが、どうやら話題そらしには成功したようだ。

 目をキラキラと輝かせてこちらを見てくる。ついでに、犬耳と尻尾まであるように見える。

 …………やっぱり、可愛い。

 いや、オレはへんなシュミはナイよ…。


「スキルですか、乃田さんはどんなスキルをもっているんですか?」

「俺は、執筆と観察だよ。ほらほら、逢坂君も早くスキル取ってみなよ。」


  元気よくハイと返事をすると、洋菓子、和菓子を食べ左端の小瓶を開けて飲んだ。食べ方がとても綺麗で品があり、喜びに満ちた表情を浮かべている。

  直後、肩をビクッと震わせ不思議そうな顔を浮かべている。例の音声を聞いているのだろう、無事にスキルが手に入ったみたいだ。


「よかったな、スキルが手に入ったみたいで。ところで、どんなスキルなんだ。」

「ハイ、《スキル:二刀流》と《スキル:検索》みたいです。」

 二刀流は分かるが検索はどんなスキルなのだろうか。とりあえず、今後の参考にするからと逢坂君のステータスを観察させてもらった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前/逢坂 健太

 年齢/16歳

 種族/人族

 HP/120

 MP/100

 攻撃力/25

 防御力/20

 魔力/20

 魔防力/15

 スキル/二刀流Level1 検索Level1

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  あん?なんか……俺より高くね?スキルはともかく、年齢だけが高いだけで他が負けてないか、コレ…。

 とりあえず、逢坂君に《スキル:検索》を使ってもらった。


「これはなんだろう、四角いのに四角?Poogl?ちょっと良く分からないんですが、これが検索なんですか?」


 要領を得ず混乱している逢坂君に話を聞いてみるが、インターネットでよくある検索ワードを入力する画面が出てきたらしい。

  とりあえず、自分達のスキルや今までの情報を調べてもらう為にを片っ端から検索をかけていってもらった。

 その結果……


 《スキル:執筆とは執筆の力で書いた物や魔物が具現化する能力。但し、最初に自分の目で見ないと具現化できずレベルにより具現化できるものが変わってくる。》


 《スキル:観察とは観察の力で見た物や魔物を判別や識別する能力。但し、レベルが低いうちはたいして役にたたない。》


 《スキル:二刀流とは両手に武器を持って戦う場合に全てのステータスが2倍になる能力。但し、必ず両手に武器を持たないと発動しない。》


 《スキル:検索とは調べたい言葉を入力すると検索できる能力。自分が知らない言葉は他人に教えて貰えば検索出来る。》


 《グリンゴブリンとは緑色の皮膚に主に折れた剣などを武器に戦う魔物。成長した個体は違う武器を持つようになる。Eランク。》


 《レッドドラゴンとは赤黒い鱗に覆われていて非常に獰猛な魔物。カーア・エリティア女王のペットで彼を傷付ける者にはもれなく死が訪れる。Sランク。》


 《カーア・エリティア女王とはバラナント王国に君臨する女王様、首都マカッカに王城を構える。別名【紅の女王】》


 《ノカ爺とは夢追い人が最初に訪れる始まりの場所の番人。面倒見が良くかなりの刻を過ごしている。自ら動くことは出来ない…ドアだから。》


 《始まりの場所の検索情報はありませんでした。》


 《夢追い人の検索情報はありませんでした。》


 《株式会社転々シャルシャルの検索情報はありませんでした。》


 《ウサミミ少女の検索情報はありませんでした。》


  うん…分かってた。検索ってやっぱり凄いね。

 流石、先生


「あっ、検索がレベル3になりました。」


 本当に凄いね………………グスン

 そのうち、お払い箱にされそうと身の危機を感じた俺だった。



一風変わったアイデアってなかなか出ないものですね。

絞れ、知恵よ。

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