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どうなる、俺の異世界執筆活動。  作者: 土塊ナパンナ
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第十四編 現れた敵と仲間

  クバサナ村を出て新しい街に行く旅を始めて早2日も経過した。

 この異世界に来てから、色んな事をキノワから学んだ。

 野営の仕方や生活魔法等の魔法の事、解体の仕方に武器を使った戦闘訓練や立ち回り方、そしてこの異世界のこと。


 この世界は、東西南北をそれぞれ繋がった大陸があり、上空から見た形としてはドーナツ型をしている。国境と呼ばれる境目には、頑丈な関所や広大な森、深い崖に高い山脈がある。

  真ん中には湖よりも巨大な内海、大地の外には外海が広がっている。共通点を挙げるなら、どちらの海にも凶暴な魔物が棲んでいること。

  北の大地は人族の女王が治める『バラナント王国』

 南の大地は魔族の皇帝が治める『ディンゴイ帝国』、

 西の大地はドワーフ族の王が治める『ブルジョアン山脈』

 そして今いる東の大地にはエルフ族の女王が治める『ガーテン森林』

 国同士の多少の小競り合いはあるものの貿易を行えているので比較的平和な世界だといえる。


  旅の道中は、ホーンラビットやボワボワ、アングリウルフ等の魔物が襲ってきたが、全てオサカの剣の錆になるか、キノワのガントレットに倒された。

 もちろん、ノーダもスキルで魔物を観察し今後の戦力を増やしていった。

  キノワは、元Cランクでスキル《打撃術》を駆使し、一匹狼成らぬ一匹熊のソロ冒険者として活躍していた。そして、ある合同クエストで今の奥さんエルナと出逢った。

 女の細腕では到底扱えない大剣をまるで体の一部のように操るエルナに一目惚れし、猛アタックをしたが相手にされず最終的に幾度も行われる決闘という名の求婚にエルナが押し負けた形となる。と言う惚気話を最初の野営で聞かされ、それぞれ違う反応をしながら聞いていた。


  そんなこんながありながらの旅も3日目の朝を迎えた。このまま順調に進めば、今日の夕方にはフルカンの街に着くという。

  そして、野営地から出発して2時間……やはり、旅は順調とはいかないみたいだ。

  最初に気付いたのはキノワだった。長年の勘というのは衰えていないらしく、御者役を買って出てくれたついでに索敵もしてくれた。

 本当に頼りになる、またあの村に寄る事があったら是非寄ろう。

  そして、キノワの敵襲の声に馬車を飛び出す。

 目の前にはボワボワが2体、敵意を剥き出してこちらに走って来ていた。

  馬車を止め、キノワが降りてくると両手に嵌めたガントレットで戦闘体勢を取り、オサカもキノワの隣でそれに続く。

 ノーダはマジックゴブリンとポイズンスパイダーを出して後方支援の準備をする。

  血走った眼でこちらに猛突進してくるボワボワを見ていたキノワが言った。


「フタリトモ、ソッチハ、マカセタ。」


  猪突猛進してくるボワボワに真正面から対峙するキノワ。口の上に生えているボワボワの牙を掴むと唸り声を挙げながら突進を止め、腰を落として横に投げ飛ばす。

 立ち上がろう重い巨体を起こすボワボワに近づき、眉間に拳を叩き込むと再びボワボワは白目を倒れて白目を剥いてしまった。

 腰に挿した短剣を抜き取ると、逃げないようにとボワボワの首を深く刺しながら、もう一方の戦闘を見守っている。

  キノワに教わった型として、剣士タイプのオサカが前に立ち敵のヘイトを溜めながら、魔術師タイプのノーダが召喚した魔物でオサカを援護したり敵の妨害の役目を担うような戦闘体勢が出来た。コレを教わってからは、町での戦いよりも格段にやりやすくなったし、何も知らなかった頃よりも変わっているのが実感できた。


「ブギィーーーー!!」


 もう1匹のボワボワも、突っ込んで来ようとしているがポイズンスパイダーの糸をボワボワの脚目掛けて放つと同時に、マジックゴブリンの火魔法がボワボワの顔を焼く。


「!?!?!?」


 叫び声を挙げながら転ぶボワボワに追加の糸を吐き地面に拘束したボワボワの首をオサカが刎ねる。


「ダイジョウブカ?」


  剥ぎ取りを済ませたキノワが近づいてくる。ノーダ達の獲物を見つめているキノワが何処となく様子がおかしい。


「どうしました?」

「イヤ……コノキズハ、オマエタチカ?」


  良く見るとボワボワの体には、覚えのない切り傷があった。否定の言葉を出すノーダ達に突然火球が飛んできた。ノーダ達の前に盾になるように踊り出たキノワが火球を喰らい倒れてしまう。


「キノワ!!」

「キノワさん!!」


  ニタニタとした笑いを浮かべる豚がいる。否、錆びたカットラスを持つ豚型の魔物オークが2匹いた。

  オークとは一般的に豚型の魔物と言われているが、ボワボワはオークの成長前の姿ではないかと魔物研究者の論文があったりする。性格は残虐非道、多種族の雌を捕らえ、自分達の苗床にして数を増やす非常に厄介な魔物である。


  ポイズンスパイダーがオークに向かって糸を吐く。

 それを難なく避けるオークが向かってくるが、今度はマジックゴブリンの火魔法がオークに放たれる。

 それも難なく避けるオークの脇腹を気付かれないように近づいたオサカが横薙ぎに斬りつける。


「フゴーーーー!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


  ノーダは、雄叫びを挙げながら崩れるオークの首を掻っ切ると血が噴き出し瞳に光が失われていく。すぐさまもう1匹のオークへと注意を向ける。ジリジリと近付くオサカに対し、距離をとるオークは火魔法をオサカに放つと同時に走り出し……逃げ出した。


  唖然と見つめる2人の耳にキノワの唸り声が聞こえる。キノワに体力回復ポーションを飲ませようと、慌ててリュクサックに手を掛けたその時……


「私に任せなさい!」


 勢い良く開かれる何処かで見た事のある扉から出てきたのは、1人の少女だった。


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