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それぞれの葛藤_7(※サークリット視点)

一度、首飾りで落ち着いたマリアだが、10日もしないうちに、

結局、毎日、離れたくない、とサークリットに泣きつく便りを寄越す始末。


面倒な、と思いつつ、何日に一度かは顔を出す。


それが、一番面倒が少ない方法と諦めて・・・・・・



『それに比べて・・・・・・』


ムカムカするような、落ち着かないような気分で

今日も先触れを断られた(シオン)の部屋の前を通り過ぎ、

(マリア)のいる部屋へ向かう。



あれ以来、度々、シオンを食事に誘うが、一向に彼女は捕まらない。


夕食がダメなら、昼食。昼食が無理なら、朝食と

こちらは出来る限り譲歩をしているのだが、いつも何かと理由をつけ断られる。


余りの事に腹立たしくなって部屋に突撃しようとしたら

扉前に立つムジカ達、シオンの専属騎士に阻まれた。


「私は、アレの夫だっ」


つい、そう当たり前の言葉で凄んでしまったほど、

彼らは徹底的にシオンからサークリットを遠ざける。


それでも、そんなサークリットに彼らは全く取り合わない。

「主の許可のない方は何人たりともここをお通しする事はできません」



これが王国騎士ならば、たとえ、シオンの専属騎士だろうが、

王太子であるサークリットの命を退ける事など、できはしない。


だが、彼らはダイチ族の戦士。


王国で騎士をしていても、彼らは国に忠誠を誓った騎士ではない。


あくまで、ダイチ族の戦士。


だから、シオンを主と定めた彼らは

もう王太子サークリットの命さえも退ける事ができる。


それが忌々しいっ。



思い余ったサークリットは何度か最終手段に出ようとした。


サークリットの部屋には己の正妃の部屋への直通の扉がある。


それはシオン側からは鍵さえかけられない扉。


そこを通れば、たとえ、シオンの専属騎士だろうが、誰だろうが

サークリットを押し留める者はいない。


いないのだが・・・・・・



なぜ、何が、と問われれば、モヤモヤして掴めない。


でも、本当にただ気が乗らない。


行こう、と扉の前には立つ。ドアノブにも手をかける。


だが、そこからが進まない。


ドアノブに触れた瞬間、あの日のあのシオンの泣き叫ぶ声が頭の中に響いて、

一瞬で全てが萎える。


・・・・・・その上、拒まれていると知りながら、彼女の部屋へ入る、

その勇気がサークリットにはどうしてもでなかった。

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