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始動_2

それでですね、とアドリアンは続ける。

「兄上はご出産間近のマリア譲が心配だと言う事で、

彼女のエスコートをする事になりました。


ですので、義姉上のエスコートは私が仰せつかりました」


へぇ、とまた心の中で相槌を打つ。

なんと、サークリットの寵妃マリアは今、身籠っているらしい。


『そりゃ、愛してもない妻との初夜なんてさっさと終わらせて、

愛する人の傍にいたいわね・・・・・・』


うんうん、と思わず頷くと、あの、とアドリアンが困惑顔を見せる。


私は気を取り直し、ペコリと頭を下げる。

「では、よろしくお願いいたします」



ポカーン・・・・・・・・・、という擬音がぴったりの間抜け顔で

アドリアンが固まるから、はて、と顎に手を当て、私も首を傾げる。


そんな私に、コホンッとまたアドリアンは仕切り直し、顔も立て直す。

「で・・・・・・、では、ドレスを宜しければ・・・・・・・・・」


いえいえ、と私は首を横に振る。

「まだ輿入れ時に持ち込んだモノがいくつもありますので、それには及びません。

・・・・・・あぁ、色だけ、教えて頂けます?」


この国では夜会などで男性にエスコートされる時、

その者と同じ色をどこかに使ったドレスを纏うのがルールらしい。


これ、最近、習った事。



アドリアンが思わずと言う感じで聞き返す。

「新しいモノは必要ない、と言う事ですか?


兄からこの度は大変申し訳ない事だから、思うままに選んでほしい、と。

必要なら、宝飾の方も・・・・・・」


ポムと思わず、手を打ってしまった私。


まあ、それはそうだろう。

確かに寵妃が身重なら、そちらを大切にしたいのは男心と言うもの。


だが、正妃であり、他国から腰入れたシオンも新婚一年目なのだ。

それを捨て置いて、寵妃をエスコートするなんて

堂々と正妃をないがしろにしていると言うようなモノ。


『だから、モノでも買い与えておけってか・・・・・・』


思わず、顔が引きつる。


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