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始動_1

”私”(シオン・アースランド)として目覚めてから数日経つと、

妃教育をいつから始められるか、と王妃の侍女がお伺いが来た。


あの男の妃と思うと、途端に気力が萎えそうになるが、仕方ない。

それが私の今世の仕事なのだろう。


教師たちの都合もあるだろうと、私はお任せと言う名の丸投げをした。

「いつからでも構いません」



あれこれ準備があったらしく(多分)、

それから5日ほどして、妃教育は始まった。


この国の各領地の特産や特徴、上位貴族の名前や家族構成、王国・王族の歴史に

他国との関係、マナーにダンス、ピアノや刺繍等々・・・・・・・・・


無茶ぶりと言いたくなるほどの過密スケジュールとスパルタ教育に

何度も泣きそうになりながら、私は妃教育と言う名の拷問に耐え続けた。


疲れ果て、私室に戻ると、ベッドに直行する毎日が半年ほど過ぎた頃

サークリットの弟、アドリアン・アースランドの先触れが来た。


あれ以来、音沙汰無しの夫ならまだしも、夫の弟が何の用?、と思いつつ

招くと、スラリとした身長の優男であるサークリットより

ゴツゴツした感じの美男が入ってきた。


彼もまた、サークリットと同じ深みのある黒檀色の瞳と飴色の髪をしていた。

ただ、長髪のサークリットより髪色が

光の加減で幾らか明るい、黄金色に見えるのは、

軍人らしくアドリアンが短髪にしているからなのか・・・・・・



「お元気そうでなりよりです、義姉上」


そうにっこり笑うアドリアンは人懐っこそうに見えるが

この人はこれでかなりの軍略家らしい。


アドリアンは18で既に世界最強と言われるアースランド騎士団の一部隊を率い、

また、

個人としては竜騎士の1人として、かつ、槍の名手として名を知られている。


だが、アイツが恐ろしいのはその戦略だ、と

シオンの兄が零していたのを耳にした記憶が過る。



ぼんやりそんな記憶を追いながら、礼を返す。

「お気遣いありがとうございます」


パチリパチリと大きな瞳を音がしそうなほど、

大きく二度瞬きしたアドリアンと暫し見つめ合う。


気まずい沈黙が流れる中、コホンッとアドリアンが仕切り直してくれた。

「ご存知かと思いますが、一か月後に父の生誕日を祝う晩餐があります」


へぇ、と心の中で相槌を打つ。


記憶はあるのだが、この記憶は曖昧かつ、適当だ。


今やっている妃教育もたまに教師にこんな事も知らないのか、とでも

言いたげな顔で見られる事がある。


元々覚えていないのか、それとも、

私がシオンの記憶から引き出せてないのかは定かではないのだが

頼りにし過ぎると痛い目に遭うと実感済みだ。


まあ、ダンスや刺繍など身体が覚えているモノは

すんなり出来るのだから贅沢は言うまい。


##補足##

ちなみに、各キャラの詳細を。

名前    :年齢 (キャライメージ)

―――――――――――――――――――――――――

サークリット:21(シェットランドシープドッグ)

アドリアン :18(スムースコリー)

シオン   :16(ラグドール)

田中紫音  :16(黒猫)


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