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サークリット_6

神殿で神官見習いをしていたマリアは可愛らしい娘だった。


もちろん、その造形美は稀代の美姫と言われるシオンには足元にも及ばないが、

キツめの美貌を持ったベルリンとは対照的な可憐さをマリアは持っていて

甚く男の庇護欲をそそる娘だった。


何より、シオンやベルリン以上に自分の容姿の使い方をよく分っている娘だった。



持参金が用意できないような下位貴族の令嬢は侍女等になって身を立てるか、

学園で上位貴族の子息に見初められるか、

神殿に入って、そこで勤める神官や

務めで神殿に出入りする騎士、王宮勤めの貴族に見初められるしかない。


学園で学ぶには学費や生活費が必要になるので、

下位貴族の令嬢は大体神官見習いになるのが一般的だ。



マリアもそんな令嬢の1人で、

その可愛がられる容姿を最大限に利用し、神官たちに気に入られ、

神官たちに引き合わせて貰う形でサークリットの目に留まり、

しかも、サークリットの気を上手に引く賢さを持った女だった。


だが、マリアもまた、

物語と現実の違いを認識していない愚かしい一面を持っていた。


マリアはサークリットに見初められると、

ベルリンを押しのけ、正妃にまで駆け上がろうと野望を抱いたようだ。


そんな事はあり得ない。


誰もが憧れるシンデレラストーリが現実で起きたら、国の一大事だ。


シンデレラを夢見る娘(マリア)が全てにおいて、

未来の王妃となるには足りないことは誰よりサークリットが理解していた。



それに、ベルリンが眦を吊り上げ、怒る程、サークリットは

マリアに心を寄せていないし、まして、恋や愛に狂った訳ではない。


始めは単に、マリアが望むなら、一夜の情けを交わす相手か、

良くても、愛妾にしてもいい程度に目を掛けていただけ。


##補足##

ちなみに、各キャラの詳細を。

名前    :年齢 (キャライメージ)

―――――――――――――――――――――――――

マリア   :20(スコティッシュフォール)


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