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サークリット_3

「アレが倒れただと?」


晩餐前に飛び込んだ報告にサークリットは思わず顔を顰める。


毒か?、と問うと、分りません、と真っ青な顔で侍従が答える。

「今、侍医が調べておいでです」


チッとサークリットは思わず舌打ちする。

「余計な事をするからだっ」


兄上、とアドリアンが余りの言い様を咎める。

「あの時、義姉上が機転を利かせて下さらなければ、

それこそどうなったことかっ・・・・・・


それが分からぬ貴方ではないでしょう?!!」


まさか、とサークリットはアドリアンを睨み付ける。

「お前までアレに絆されたのか?」


「っっっ・・・・・・」


はぁっと首を振ってサークリットは全てを頭の中から追い出し、部屋を出る。

「アレは疲れたから晩餐は休むと母上に言っておけ。


そもそも今日にアレは不要だ」


兄上、とアドリアンは悲し気にその背を見送った。




次から次へと群がる有象無象をにこやかに捌きながら、内心で吐き捨てる。

『厚顔無恥の蠅どもがっ』


御子誕生の祝辞を述べながらも己の娘を進める狸と

マリアやシオンを誉めそやしながら、すり寄ってくる狐たち。


『ああ、何もかも苛々するっ』


サークリットは久しぶりにココでそう叫んでやりたいと投げやりな気分になった。


『何もかも、アレのせいだ・・・・・・。アレが私を苛立たせるっ』


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