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焦燥_3(※サークリット視点)

立ちはだかるリョク一族や襲い掛かる魔物を薙ぎ払い、

ようやくたどり着いた目的の洞窟。


竜騎士や数人の術者たちと一緒に入口の護りを申し出たアドリアン。


こんな時だが、決意に満ちたアドリアンの表情に

サークリットは兄として、弟の成長を見て、嬉しく思った。


頼む、とアドリアンの肩を叩き、

マグナやナール、残りの術者とムジカ達シオンの騎士を伴って

サークリットは奥へと進む。



『紫音っ、どうか、無事でいてくれっっ』


洞窟内では、あれほどの抵抗を見せていたのが嘘のように

リョク一族は姿を見せず、結局、一度も戦闘になる事無く、

最奥の部屋に辿り着いた。



バンッと蹴破った扉の先に、探し求めた愛しい人が台座の上で眠っていた。


「紫音っ」「シオン!」「姫様っっ」


サークリット達が一斉に、台座で眠る女性に呼び掛け、駆け出そうとするのを

ムジカ達ダイチ族の戦士が押し留める。


離せッ、と怒鳴ったサークリットにムジカは己の腰につけてあった布を取り、

サークリットが今まさに、踏み出そうとしていたその場所に落とす。


すると、一瞬にして布は燃え上がり、消し炭となった。


はっと息を飲むサークリット達。


洞窟内で戦闘がなかった事で気が抜け、しかも、目の前に紫音が現れたことで、

思わず、ココが敵地のど真ん中だという事を失念した。


助かった、とムジカに声を掛けると、ムジカは目礼を返す。



「・・・・・・ざーんねん、やっぱ、ダイチのもいたか・・・・・・」


そういって、飄々とした様子で現れたのは、似顔絵で見た吟遊詩人バジルク。


バジルクを認識すると、

先ほどまで、確かに室内には台座に眠る紫音しかいなかったはずなのに、

まるで、バジルクと同じように突如現れたかのように、

台座を取り囲み、眠る紫音に杖を向けるリョク一族が現れた。


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