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悲しき決意_5

「だが、所詮、不完全フィルターだ。


ほぼ、間違いなく、竜の力以外を宿した粒子のほどんども吸収されるだろう。


吸引の術を使えば、99.9パーセントの確立であんたはシオン諸共死ぬ」



真剣な表情で説明してくれるバジルクにコクンと私は頷いた。


ちゃんと理解したからじゃない。

ただ、相槌を打たねばならないような気がしたのだ。



「いや、むしろ、あんたの方が分が悪い」


そう、淡々と言うバジルクは必死に冷徹になろうとしているようだった。

「あんたの魂はシオンの魂の外側に寄生している状態だ。


術が行使されれば、まず間違いなく、あんたの魂から吸収が始まる。


しかも、呼び寄せの術によって、あんたの魂は核を失っている。


あんたは消えるんだ。


シオンの魂が人が死んだ時と同様に核だけになって来世に旅立っても、

あんたの魂はただ行き先もなく、消えるしかない。


・・・・・・何の罪もないあんたには来世の救いすらないんだ・・・・・・」



そう言うバジルクは私よりずっと苦しそうだった。


言葉は淡々としているし、声も平坦だ。


でも、なぜだろう?

彼の苦しい叫び声が聞こえる気がする。


バジルクは私をキッと睨み、命じる。

「俺を憎め。

無関係と知りながら、あんたごと贄にする俺を憎め。


シオンに怒れ。

己の傷を癒すために、来世に飛ぶはずだったあんたの魂を食らい、

傲慢にも己のモノとしたシオンに怒れ。


そして、この世界を恨め。

理不尽に、あんたと言う存在を認めず、ただ消し去る世界を恨め」


そうすれば、とバジルクは淡々とした調子を変えていないが、

その言葉に彼の願いや祈りを感じたのは私の希望なのだろうか?


「あんたの欠片がシオンの核に少しでも多く残る事が出来れば、

シオンの魂が来世に飛ぶ時、共に往けるかもしれない。


それが無理でも、あんたの欠片が僅かにでも残れば、

この世界にあんたの存在は僅かに刻まれる」


まあ、意味はないがな、と続けたバジルクの顔には

こんな方便を使う事が苦々しいと言うような、自嘲の笑みが初めて浮かんだ。

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