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深淵を覗く者_6(※マリア視点⇒サークリット視点)

そもそも、バジルクの目的は竜玉奪還と竜玉の力を取り戻す事。


実は、今、竜玉の力はある事情から、シオンの中に取り込まれていて、

竜玉から力は失われている。


だから、バジルクは竜玉と共に、シオンの捕獲にも秘かに動いている。


ならば、とマリアは考えた。


欲しがっているモノの一つを手に入れる手伝いをすれば、

自分の身を護れる上に、邪魔者も排除できる。



ゲームでは、最終イベントで

サークリットの愛を得られないシオンが竜の力を暴走させ、王城を半壊するのだ。


バッドエンドでは、暴走を止められず、

アースランドの大地は消え去り、世界は崩壊に向かう。


それを止めるのが、マリアと全ての攻略キャラたち。


そして、止められれば、攻略中のキャラとトゥルーエンドが迎えられる。


マリアたちに捕えられたシオンはバジルクの術で命を代償に力を奪われる。

そして、竜玉に力が戻される事で世界は救われる。



マリアは現実では起きる様子もないそのイベントを

故意に起こせば、シオン暗殺を自分の手を汚さずに行えると考えたのだ。


だから、自らバジルクに接触し、暗にシオンの事を協力すると提案した。


始めは警戒していたバジルクだが、

マリアがシオンの情報を漏らし続けると、信用してくれた。


そうして、この誘拐事件が出来上がったのだ。



大博打だとは思っていたが、勝つ自信があった。


なにせ、ヒロインは最強のラッキーガール。

望む未来を掴むために、世界の強制力が働く奇跡の力を持つ唯一の存在。


失敗するはずがない、そう、鷹を括っていたのだ。


だけど・・・・・・




「ムジカを呼び戻せっ!!!


神山にあるリョク一族の隠れ里に竜騎士たちを案内させろっ!」


マリアからシオンの居場所を聞き出したサークリットは

自分のワイバーンを呼び寄せ、シオンの騎士を1人だけ伴って、神山に向かう。


ダイチ族の自治区である神山は本来、王族と言えど、

ダイチ族の族長か族長代行(ムジカ)に許可なく足を踏み入れて良い場所ではない。


だが、サークリットは迷わず、自治区に飛んだ。


例え、後でこの首が飛ぶことになろうと、一刻も早く

紫音をこの腕の中に取り戻さねば、狂ってしまいそうだった。


最愛(紫音)を失う事だけは許容できなかった。


そして、飛び立ったサークリットの背を見送る国王の腕の中には

泣き崩れる王妃がいた。

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