表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/202

暴かれた罪_7(※サークリット視点)

ガクガクと震え、腰砕けになったマリアをサークリットは見下ろす。

「あの日からお前の事はいつ起き、いつ寝て、何を食べ、

誰とどんな話をしたかまで一語一句、一挙手一投足全てを監視させている。


それは全てタロに報告され、タロが重要と判断したモノを私が聞く。


そうして、後宮外でのお前の行動は常に監視していた」



後宮内でももちろん、側妃の行動は監視されている。


ただ、侍女が常に傍に居る状態のため、

マリアも後宮内では大人しい側妃の仮面を常につけていた。


注視すべきはマリアが神殿の務めと称し、城下へ降りた時。



「お前が何をどこまで知っているか、知る必要があった。


そして、お前が知ってる秘密がタロに纏わる大まかなコトだけと一応、分り、

かつ、お前がそれを誰かに漏らすつもりが今の所ない事も分かった。


だから、

私達は間者の疑いを一旦、捨て、お前の命を奪わず、監視し続ける事を決めた」


淡々とそうじゃなければ、命を奪ったと告げられたマリアは

恐怖が過ぎたのだろう、失禁していた。



タロの素性以外、マリアが知るのは王家の秘密に関するごく表面的な一部分。


だから、そこまで危険ではないのだが、

どんなに探っても情報源だけがはっきりしない。


それが分からない限り、安心できないサークリットはマリアを放置できなかった。



サークリットはその鼻に突くアンモニア臭にさえ、動じず、真実を突きつける。

「監視し続けるには、私の後宮に閉じ込めるのが一番容易で、確実だった。


それだけのことだ」



そこまで聞いて、国王夫婦は初めてサークリットの真意に気付き、

自分達の不甲斐なさに苦しんだ。


女に現を抜かし、失望させられたとばかり思っていた息子が

本当は自分達が犯した過去の罪のために

自分の名誉を犠牲にしていた事をようやく知ったのだ。


そう、王家の秘密はマリアが知るより、もっと深く、昏い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ