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サークリット_1

「・・・・・・アレが本当にこんな事を?」


はい、と頷くいかめしい顔の騎士、ムジカ・ダイチは

その表情をピクリとも動かさず、頷く。


報告書を机に投げ捨て、サークリットは探る様な鋭い眼差しでムジカを見つめる。

「孤児らと洗濯をし、食事を作ってやって、畑まで耕す?

その上、文字や簡単な算術を自らで教える??


ふっ、まるで(・・・)、聖女だな。


・・・・・・・・・まさか、お前、アレに絆されたのか?」


ヒクリッと頬の端を引き攣らせたムジカ。


兄上、とアドリアンがサークリットを咎める。

「ムジカに限って、そんな事はあり得ませんっ!


それに、神殿からも同じ問い合わせが。

タナカという令嬢がとてもよく勤めてくれているが、どこの令嬢かと・・・・・・」


サークリットは苛立ちをその瞳にはっきりと浮かべ、吐き捨てる。

「鬱陶しいっ、大人しくしておればいいものを・・・・・・」


お言葉ですが、とムジカはそんなサークリットを冷めた目で見下ろす。

「殿下とお妃様にどのような行き違いがあったのか存じませんが、

私の知るお妃様は王太子妃として、全てにおいて申し分なく勤めてらっしゃると

私は存じます。


悪意に曇った眼で見て、蔑むのは一国の王となる方の成さる事とは思えません」


ぴしゃりとしたムジカの諫言に、おい、と慌てるアドリアン。


だが、サークリットはそんなムジカを鼻で笑う。

「それも計算の内と分からないか?

どうせ、危うくなった立場を守ろうとない知恵を絞ったのだろうよ。


子どもを守る環境を作りたい?生きる術を少しでも多く学べる機会を与えたい?


そもそもそんな殊勝な考えに至る女ではない。

アレは腹に子のいるマリアを出会い頭に突き飛ばした事さえあるのだぞ?

全く嗤わせてくれるわっ」


それは、とアドリアンが言い返す。

「マリア殿の存在を貴方がかの腹黒王子と一緒になって、

義姉上が嫁ぐまで徹底的に秘匿したりしたからでしょう?


兄上達はそれぞれが求める利のために、

義姉上の恋慕う気持ちを利用して、踏みにじった。


この件に関していえば、義姉上は一方的な被害者ですよ。


・・・・・・何より、あの時、

マリア殿が子を身籠っている事なんて、私でも知りませんでしたよ」


##補足##

ちなみに、各キャラの詳細を。

名前     :年齢 (キャライメージ)

―――――――――――――――――――――――――

ムジカ・ダイチ:26(ピットブル)


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