暴かれた罪_3(※サークリット視点)
「この秘密を知っているのは、私とタロの2人。
神殿への宣誓書をタロに改ざんしてもらう事で、
表向きは側妃、でも、真実は愛妾として登録を済ませた。
こんな頭も貞操も緩い女を己の側妃として扱うのは業腹でしたが、
側妃にしなければ、後宮に長く留める事はできない。
だが、誰に身体を預けるか分からない女を側妃にする訳には行かない。
托卵されたら、国の一大事。
だから、コレが産んだ子に継承権が生まれないよう、
絶対に愛妾として登録する必要がありました。
コレに子が出来れば、表向き病死とし、血の継承の儀式の前に神殿へ、
タロの元へ送る事になっていました」
なんで、と茫然とした顔で尋ねるマリアにサークリットは淡々と答える。
「お前を監視し続けるのに、それが最適だったからだ」
「かん・・・ぃ?」
ああ、とサークリットは頷く。
「なぜ、お前が王家の秘密であるはずの、タロスードの名を知っているか、
そして、タロがタロスードである事を知っているのか、暴くために。
かつ、お前が知っている秘密をお前が他に漏らす可能性を潰すために」
「「「っっっ!!!!!」」」
サークリットの背後で国王達までもが息を飲む。
マリアは首が取れるのでは、と思うほど何度も何度も首を振る。
「しらないっ、しり、ません・・・・・・、そんな名など・・・・・・」
そんなマリアにフッと冷笑するサークリット。
「知らない訳がない。
お前が神殿の私室で、タロの消された名を呼び、浮かれるのを
この耳で聞き、この目でその姿をタロと共に見たのだから・・・・・・」




