第二節「研究所と私(下)」
12時頃、自由時間が終われば、昼御飯の時間が始まる。私のいる研究所において、昼御食は絶対に食べなければならないものではない。何故ならば、実験、研究の区切りが付かないものたちは、昼御食を抜いてでも研究を続けようと考える人も多いからである。私はといえば昼御食は欠かしたことがない。博士が言うには「育ち盛りに食べておかないと大きくなれない。」そうだ。
私は、博士とは血が繋がってない。しかも、私は、造られた人だ、私は博士の娘のつもりだが博士にとってはただの研究素体かもしれない。私は博士の娘であるために、少なくとも博士の役に立てるように、早く成長してお手伝いをさせてもらえるようになりたいのだ。
女史にその事を伝えると、笑いながら「博士はiveのことを娘だと言っているし、iveのことを研究素体としか見ていないならやつをぶん殴ってでも考えを改めさせてやる。」と言っていた。
女史が言うのなら私は博士に娘として認識されていることは確かなのだろう。話が長くなってしまったようだ。切り替えよう。
13時頃、食べるのが遅い私は、食堂に食べに来ていた研究員の皆が居なくなった頃に昼御飯を食べ終える。研究員の居なくなった食堂で何をするのかというと、食堂のおばちゃん達のお手伝いをしながら少しづつ料理の基本についてから調理の難点まで質問を重ねながら学んでいる。
17時頃、おばちゃん達は夕御飯の準備で本格的に忙しくなるため、邪魔をしないように私は昼前までやっていた勉強の続きに取り掛かる。研究員の人曰く、私の勉強は一般的な同世代の勉強よりも進んでいるらしく勉強を聞くと感心されたりする。
19時頃、夕御飯を食べに研究員の皆が食堂に集まる。良い忘れていたかもしれないが、御飯は全員一律である。昔は券売機を置いて何種類か選べるようにしていたらしいが何らかの事情で廃止されたらしい。
話忘れていたことと言えばもう1つ。この研究所に住んでいる人達は計54人である。それ以外の研究所で働く人達は外に住んでいるそうだ。私は外に出たことがないので少し羨ましい。
20時頃、共同浴場で汗を流す。女史が言うには、浴室は、昔に女史の母に連れられて行った銭湯の雰囲気に近いという。男女で浴場は区切られており、そこも銭湯に近いそうだ。銭湯で必ず発生するという覗き対策に、男女の浴場の区切りは天井まで達しているため、完全に別室のようになっている。かつて女子更衣室に潜入した男性研究員は、吊し上げられた末、かつてないほど後悔させられ、死ぬよりも辛い目に合わされたのだという。詳しいことは教えてもらえなかった。
21時頃、私の就寝の時間である。この時間になると博士と、近くにいた研究員の皆に「おやすみなさい」と声をかけてから自室に戻り日記を書いてから就寝するのである。
研究員や博士達は、各自、自由時間を過ごした後に、眠るそうだ。