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運命記録  作者: 赤蛸
第一章『運命記録の人造人間』
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第一節『私は人造人間』

私は造られた人間である。

提議:人間

生き物のなかで思考能力が高く、また、道具の使いに長ける霊長類の総称。

旧約聖書「創世記」において、四日目に神によって、神に似かよった姿に作られた生物。

社会的な意識がそれなりに高く、同族意識が高い場合が多い。一般的な同サイズの動物に比べて知能は高いが総合的な力では劣り、器用さで勝る。


論議:私は人間と呼べるか否か?


決議:人による。

私は自身を人間であると考える。さらにその考えを裏付ける材料として研究所の人たちは私を人造『人間』と呼ぶ。これは、私が人に造られた人間であると認めていると考えても良いだろう。

私を造った人達は研究所で生活している。彼らは国に認められた様々な分野のスペシャリストなのだという。私が、「博士」と呼ぶ人間について話そう。まずは言葉の提議からだ。この「博士」とは、博士号を持っている者という意味の博士ではない。この研究所では、研究所内を纏める役割を持ったリーダー的役割の人物を「博士」と呼ぶらしい。それ以外の博士号を持つ人に対しては、⚪⚪博士のように、名前のあとに博士を付けることにより差別化しているようだ。


「博士」は、私を含む、人造人間を造るプロジェクトのリーダーであり、プロジェクトを立案した人である。彼は、私のことを、「娘」または、「ive」と呼ぶ。「ive」とは、私に与えられた名前である。名前を与えることにより、実験動物というよりも、飼い犬や、飼い猫のように、親近感を得やすいという理由が合ったのだという。もう1つの名前の理由としては、私以外の人造人間が産み出されたとき、呼び名に幅を持たせることにより、区別を容易にする、ということもあるのだろう。二つ目については私の憶測に過ぎないが、あながち間違いではないと思う。


提議:娘

親から見た、女の子どもの別称。養子等の理由で血縁関係がない場合、遺伝子が半分同じものである。

論議:私は博士の娘であるか?

決議:そうであるとも言える。私は、博士たち研究所の人々により産み出された。つまり、研究所の人達は私の親と呼べるのではないだろうか。そうであるとするのなら娘であると言えるであろう。


博士は未婚の男性である。研究員の男性曰く、「出会いがない。」と昔はよく嘆いていたそうだ。今は、というと、私が産み出されてからは結婚についての欲を愚痴ることがなくなつたそうだ。これらには相関関係があるようだ。検証の必要があるかもしれない。メモに取っておこう。


疑問:私が造られた理由

暇そうな研究員に聞いてみたが要領を得なかった。なにやら神様が関連してるらしい。神様というと、博士は、神は居ても居なくても大差はないが、曖昧なくらいがちょうど良いと言っていた。その発言は研究者としてどうなのだろうか?私自身神様についての話は、寝物語程度にしか聞いたことがないのでよく分からない。人か人じゃないか悩んでる私が馬鹿馬鹿しくなるほど曖昧な存在なのだろう。

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