シロツメクサ
「お前女だったんだな」
10年振りに会ったクラスメイト。
私の印象はボーイッシュな少年。
可愛さも何も無かったあの頃。
「ワンピース似合ってる」
「長い髪の毛似合ってる」
「シロツメクサの花冠似合ってる」
不器用な10年越しの片思い。
淀川河川敷にはたくさんのシロツメクサが咲く。
「大雨降ると大変な事なるけど綺麗なんだ」
彼はシロツメクサを3本摘む。
「編み方を教えてよ」
彼の手で編まれる花冠。
昔から私をからかってきた原因のもの。
「男なのに編めるのかよ」
あの時言ってきた言葉を覚えてるだろうか。
「ねぇ、きみが好きだよ」
そう伝えたらまたバカにしてくるだろうか。
「男の癖に」って。
「・・・できた。」
スイスイ編まれた花冠。
初めての割には上手に編めてる。
「これで何なんだけど、付き合ってよ」
あの頃の君ではもうないのかな。