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hommage  作者: 稲葉孝太郎
サラマーゴ『修道院回想録』
1/7

左手の欠けた男

ながい旅のあとで ブリムンダは広場に腰をおろし 施しを乞うていた


すると ひとりのおとこが彼女に近づき 鉄の留め金を差し出した


お金でもパンでもなく 彼女のさまよい求めてきたものであった


なぜなら 神の左手は欠けており この男の左手もまた 欠けていたからだ


バルタザルなのね 女は言った


ブリムンダだね 男は言った


さあ 話しておくれ きみが消え失せたあいだのできごとを


消え失せたのは私じゃないわ だから あなたが話して


ああ 話してやろう


ふたりは 時の果てるまで 話し続けることだろう

ジョゼー・サラマーゴ『修道院回想録』より

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