宇宙船完成。そして……
オイルと一緒に、ミュシュは宇宙船にたどり着いた。
「……君の惑星はまだあるのかい?」
「ええ、あるわ」
そう答えるミュシュ。
「そうか、ならば、この宇宙船をなおしてもいいけど」
「本当!?できるの?」
ミュシュは驚いて尋ねた。
オイルは微笑んで頷いた。
「僕の側近にそう言うものを、いくつも直している人がいるんだ」
ミュシュはよかったあ……と言って喜んだ。
それから、数か月が過ぎた。
ミュシュは、次第にオイルに惹かれている自分に気が付く。
それは、彼の優しさが本当だったからなのだが……。
「ミュシュ、宇宙船を見に行かない?」
「ええ、一緒に行きましょう」
そして、宇宙船が完成した。
「これで、君は帰れる。行くかい?」
ミュシュはしばらく考えていた。
そして、
「私は……ここに残るわ」
「え!?」
「私、ここで、過ごすわ。……貴方と、居たいの」
オイルは、そう言われると、安堵のため息を吐いた。
「良かった、君が帰ってしまったら、どうしようと、思っていたんだ」
「オイル、いつまでも、ここへいてもいいかしら」
すぐに、オイルは頷いた。
「ああ、君が良いのなら」
「私、宇宙船が完成しても、それでも私はここにいるわ」
二人は抱き合った。
この宇宙には、意外に遭難すると、こうして帰るのを辞めるものもいる。
そういうことだ。
完