歩こう。カタツムリと、共に
ミュシュは、荒野の土を試験管に入れた。
カラカラカラ……、
土と、液が混ざりあう。
微生物は、……いた。
これで、生命の存在があるという、確かな手がかり。
さあ、
荒野を、……行こう。
ミュシュは歩き出した。
生命の宝庫、海、森を見つけに、
さあ、怖がることはない。
大陸がミュシュのまえに広がる。
「……カタツムリ」
ミュシュの手にはカタツムリがあった。
この、大きな大陸に、一人、
「私を……みてて」
そして、そのカタツムリを、自分の肩に……。
昔、ミュシュは、カタツムリ……とはいわず、ぬめり系は大の苦手だった。
そのミュシュも、この場では、心強い、仲間だ。
一緒にいこう。
そう、ミュシュは思っているようだった。
空は青い。
地平線は、遠くまで、見渡せる。
と、言うことは、そこに山はなかった。
青い中に、少し赤く、空は変わりつつあった。
日が沈む。
ミュシュは、持ってきた、荷物の中の一つに、「寝袋」があった。
それを、広げる。
まだ、何にもわからない。
そのうちの、夜。
それは、この何もわからない星に対して、強い、「恐れ」を抱かずにはいられない。
カタツムリは、そのまま肩に、
夜を……迎える。