表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しゅごれい  作者: 千世
第二章 朝野いのりサイド
7/54

(2) 用事




「行ってきます」

 私は準備を整えて玄関に向かい、扉を開けて外へ出る。

 この分だと、急がなくても学校には十分に間に合いそうだ。母に感謝(母に起こして貰ってけど、起こす時に蹴られた……)しなければ。

 私の家は白いマンションで、七階建てだ。一つの階に四部屋並んでいるから、二十八部屋あるという事になる。

 私は三階に家があり、いつもは急いで降りている階段も、今日はエレベーターでゆっくり降りれる。

「さて、と……」

 右手に持っている紙袋を持ち上げ、私は隣の301号室の家を見つめる。

 時間があるからとは言え、母も今更こんな事を頼まなくても……。




『いのり、お隣さんに旅行のお土産渡してくれない? 母さん、ちょっと用事があるから、いのりが渡してくれると助かるわ。え? いつも通り母さんが渡しに行けば良い? 今日じゃなくても? 駄目なのよ、あまりもたないものだから。今回だけたから。起こしてあげたでしょう? 良いじゃない。

 ――夜宵くんとは仲良しなんだから』




 仲良しなんかじゃない。

 と言いたかったけど、反論してるとまた何か言い返されて遅刻するかもしれないので、何も言わずに出て来た訳だ。

 涼風夜宵。

 私の一つ下の高校一年生で、幼馴染み。

 同じ高校だけど、接点もないし、最近喋った記憶もない。

 昔は……小学生の時までは、ふざけ合う仲で気の合う幼馴染みだった。

 でも、私が中学生、夜宵が小学生と別々になってしまってから……段々、と……疎遠になってしまった。

 だから、あまり会いたくない。

 と思う反面、会ってみたいとも思う。




 だって、私は小学生の時から夜宵の事が……。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ