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しゅごれい  作者: 千世
第十四章 朝野いのりサイド
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(29) 【死ゅ語霊】と笑顔

本当に久し振り! というくらい早めの更新が出来ました。

凄いキセキ……!(大袈裟ですね)





『いのりん。夜宵のこと、好きだろ~。本当わかりやすいな~』







 夜宵のことを好きだと自覚したのは私自身ではなく、カイに言われてからだった。

 あの頃の私は、馬鹿じゃないの。そんな訳ないじゃない。カイも適当なこと言わないでよ。って、真っ赤な顔をして否定していたような気がする。思えば、バレバレだったのに。

 今も変わらないような気もするけど、少なくとも真っ赤になることはないと思う。

『良いじゃん、良いじゃん。オレら、学生だぜ? 青春真っ只中だぜ? 恋くらいしねーと! 恋。良い響きだね~』

『……そういうカイは、どうなのよ』

『オレ?』

 きょとんとした表情を浮かべたカイだったけど、今思えばあれは演技だったんだなって思う。

 ただ、あの頃の私にはわからなかったけど。

『オレは、遊びに生きてるから良いんだよ』

『遊び?』






『そっ。いのりんと夜宵と遊ぶの、すげー楽しいもん。これからも、ずっとずっーと、一緒に遊ぼうな。な? いのりん』






 ニシシシ……と言いながら笑うカイの笑顔は、とても眩しく見えたことはよく覚えている。

 今は、意地悪い笑顔しか見たことないけど。

 カイは覚えてる?

 ねえ、もしかして夜宵も……。




「……カ……イ……」

 そう呟いたものの、それだけでは思い出してくれたのか判断が付かない。

 どうなってるの?

 私はカイのことは喋ってないわよ?

 それとも、昔のことを話すと思い出すとか……そういうルールでもあったの?

「夜宵……」

 私は、取り敢えず夜宵に触れようと手を伸ばす。

 しかし……。





「いのりん、ストップ」






 夜宵の肩を掴もうとした瞬間、突然目の前にカイが現れ、腕を掴まれた。

「え?」

 それと同時に夜宵は、その場に倒れ込んでしまう。急に意識が飛んでしまったかのように、唐突に。

「大丈夫。夜宵は何ともねーから」

「で、でも、倒れ……」

「オレがやったことだから、心配しなくても良いって」

「カイが……?」





「強制的に思い出させよーとしてたみたいだからな」






 そう告げるカイの声と表情は、今まで見たことがないくらい真剣そのもので、とても……怖かった。

 睨んでいる訳じゃないんだけど、こう……目が笑っていないと言うか……。

「……誰が……?」

「……オレの身内、みたいな?」

「?」

 身内? どういうこと??






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