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しゅごれい  作者: 千世
第十四章 朝野いのりサイド
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(28) 名前

久し振りの投稿。

でも、前よりは早く更新できたかもしれません。

まだ結末も決まってない、行き当たりばったりなお話ですが、読んで貰えたら嬉しいです。



キャラの口調がどうも安定しません……。

次も頑張ります~。






「昔は、ずっと一緒だったわね」

 ……カイも。




 家を出て数分。

 学校までそんなに遠くないはずなのに、凄く長く時間を感じてしまうのは夜宵と一緒に居て嬉しいからだろうか。それとも、カイのことを黙っていて……罪悪感を持っているからか。

 こういう時に限って、カイは現れないし。まあ、現れても反応に困るけど。

 今は、自然に会話するしかない。

 どうせ、今の私はカイとの約束があってもなくても、夜宵に話す勇気なんて……一ミリもないんだから。

「……どうして、疎遠になってしまったんでしょう……? あ、いえ、その、避けていた訳ではないと思うんですけど……! えっと、あの……」

「フフッ……」

 慌てた様子で、必死に言い訳じみたことを言っている夜宵を見て、思わず笑みが零れた。

 ああ、昔もこんな感じだった。

 今も昔も、変わらない。カイを忘れてしまっていても、夜宵は……。

「……笑わないで、下さいよ……」

 笑われている理由がさっぱりだからなのか、夜宵の表情が少し不機嫌になる。

 当たり前か。今の会話だけじゃ、笑う要素なんて何処にもないものね。

「ごめんなさい。夜宵のことが可笑しい訳じゃないの。ただ、思い出していただけだから」

「思い出す……ですか?」

「ええ。昔のことだけどね」

「昔、ですか」

「気になる?」

「い、いえ……えっと、気にならないと言えば嘘になりますが、僕は昔のことはあまり覚えてないので……その、何と言いますか……」

「自分は言えないのに、人に聞くのはどうかって感じ?」

「……はい。そんな感じ、です」




『何だよ、何だよ。二人して通じ合ってるみたいな雰囲気出してさ。オレだけ除け者かよー』




「「え?」」

 また、昔の思い出がフラッシュバックする。最近起きたこととは言え、初めてではないのでそのことに関しては驚かない。

 私が驚いたのは、夜宵が驚きの表情を浮かべていたことだ。まるで、私と同じような……。

「……カイ……?」

「え……?」

 聞き間違えじゃない。今、私の耳にちゃんと聞こえた。

 夜宵の口から。










 もう二度と聞くことはないと思っていた、カイという名前を……。












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