表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しゅごれい  作者: 千世
第十三章 涼風夜宵サイド
50/54

(25) 心配

今回は続けて更新が出来ました。

長く更新してなかったので、人物の口調が若干変わっているかもしれませんが、そこは……あまり気にしない方向でお願いします。



「『ねえ、知ってるなら教えてよ。勿体ぶるところでもないでしょ』」

「『そんなことより、前見とかねーと、また注意されるぞ。ほら』」

「『え?』」

 ふと前を見ると、教卓の上に座っていたはずの彩音の姿がなかった。

 あれ? 彩音は?




「お兄ちゃん!」





「ヘッ?」

 声のした方へ……右横へ少しずつ視線を合わせていくと、そこにはさっきまでいなかった彩音が居た。

 しかも、机の上に座っている為、僕のとても身近に……。

「って、ええええ! いつの間に!」

 最初に声をかけられた時は気にしていなかったけど、いきなり目の前に現れたので驚きも倍増し、思わず椅子ごとひっくり返ってしまう。

「痛っ……」

 家と違い、絨毯も何もない板の上は痛かった。

「お、お兄ちゃん、大丈夫……?」

 さすがの彩音もこけるとは思っていなかったのか、心配そうに僕の顔を覗き込む。

「だ、大丈夫、大丈夫」

 別に怪我をしている訳でもなかったので、床に手を付いて起き上がろうとした時――。





 ――そんなに驚かなくても良いんじゃね?





 頭の中に映像が流れ込んで来た……ような気がした。

 いや、気のせいじゃない。でも、僕の知らない光景のような……。違う。僕は知っている。知っているけど、知らない。

 自分で思っていて矛盾しているなと思うけど、そうとしか言いようがない。

 何だ、何なんだ。

 もしかして、僕が忘れているかもしれないことって……。

「何してんの?」

 顔を上げると、カイが不審そうに僕を見ていた。いつまでも起き上がらない僕にうんざりしているのか、それとも……。

「気分でも悪いなら、そう言えっての。皆超どん引きするんですケド」

 そう言いながら、僕の腕を持ち上げて無理矢理立たせる。

 少女、なのにそんなことで力を発揮していいものなのかと思っていた思考は、彩音を含め心配そうに見ている皆の顔を見て一端停止する。

 自分のことばっかりで、周りのことを考えていなかったことに今頃気が付く。

「ご、ごめん。本当に、大丈夫だから」

「…………」

 その一言で皆はホッとした顔をしたけど、カイだけはずっと僕を――睨んでいた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ