(21) 【死ゅ語霊】と話
一週間振りの更新です。
もうちょっと早く更新するつもりだったんですが、いつの間にか一週間経ってました……。
早いです……。
「わかった。じゃあ、適当に空いてるカフェに行こう」
「有難う」
「ぶっ~」
三上さんは私の提案にすぐ賛成してくれたけど、カイは暫くふて腐れていた。そんなに銭湯に行きたかったの?
――いのりん、レッツゴー銭湯だ~! 裸の付き合いだ~!
……あれ……?
今、一瞬……何かを思い出したような……。
「ねえ、カイ」
「ん? 何だよ?」
「今、何か言った?」
「はあ?」
突然の私の言動に、今度はカイが顔を顰める。しかしそれは一瞬のことで、いつもの調子で返してくる。
「何も言ってねーけど? 何? いのりん、そんなに話かけて欲しい訳?」
「ち、違うわよ!」
「ふーん。どうでも良いけど、忘れんなよ?」
「……何を?」
カイが私に近付き、耳元で響くように囁いた。
「葵っちとどれだけ仲良くなろうと結構だ。でも、ライバルなんだぜ? いのりんは邪魔者を演じなきゃならなんだからな? ――つまり、今日は知る為の機会。夜宵と接触することを目的していることを忘れんなよってこと」
「……わかってる……」
「なら、良いけど? 葵っち、何処入る~?」
「うーん、今携帯で検索してるんだけどねー」
わかってる。
わかってる、わかってるわよ!
わかっていることだけど、カイに言われるとムカつく!
あの挑発するような態度は何? わざと? それとも、天然?
カイのことが……よくわからなくなって来ている……。
カイのせいで。
全部全部、カイのせいで!
「いのりん、置いてくぞ」
「それは酷いと思うけど……」
「良いんだよ、いのりんだから」
「何よ、どういう意味よ!」
絶対、カイの思う通りになんて動いてやらないから!
……多分。