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しゅごれい  作者: 千世
第十二章 朝野いのりサイド
45/54

(20) 何故

一週間振り(?)の更新です。

前よりは早い方だと思います。

気長に読んで頂ければと……。



「銭湯……?」





 銭湯に行こうと言うカイと三上さんの提案に、私は顔を顰める。

 何故、いきなり銭湯……なのか。女子学生が三人で、しかも学校帰りに行くのはどうなのか。

 何よりも、カイが一体何を考えているのか……全くわからない。

 これが、普通ならば……いや、普通でも何でいきなり銭湯に行くのよって聞いたかもしれないけど……。

 でも、カイが人間だったら、少なくとも不信感は抱かなかったはず。




 私とカイは親友だったんだから。





 けれど、今は違う。私は生きている人間で、カイは死んでいるはずの人間。この場に、居ないはずの……【死ゅ語霊】という存在。

 それだけは、忘れてはいけない。

 忘れてしまえば、カイの雰囲気に呑み込まれてしまえば、夜宵は……この世から居なくなってしまう。

「うん、そうだよ~。と言っても、カイの提案なんだけど」

 やっぱり。

「何だよ、いのりん~。その、『やっぱり、カイが考えた訳ね。まあ、想像はついてだけど』的な顔は~」

「……わかってるなら、何で提案なんかする訳?」

「面白いから?」

「…………」

 カイの性格上わかっていたことだけど、本人の口から言われると何か力が抜ける。





「あ、で、でも、私が最初にカイに相談したから……同罪かも」





「え?」

「だってさ、葵っちが『早く仲良くなるにはどうしたら良いかな?』って聞くからさぁ。だったら、『裸の付き合いが一番良んじゃね? 全部さらけ出せるぜ』ってオレが提案した訳」

「……そう……」

 カイの発想はどうかと思うけど。

 でも、三上さんの仲良くしたいって気持ちは、正直に嬉しかった。例え、夜宵の好きな相手だとしても。

 だって、友情と恋愛別だもの。

 今のところは。

 ――って、まだ同じ部員ってだけの関係なのよね。私も、夜宵の好きな相手がどんな子なのか知りたいって気持ちで、一緒に帰っているだけだし。

「でも、いきなり銭湯は……。普通にカフェに入ろう?」

「え~。つまんね~」

 それはカイだけよね?








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