(22) 【死ゅ語霊】と後
今日も更新出来ました。
物語は進んでいるのか進んでないのか微妙な感じですけど……。
「――オレ、先行くぞ。友達二人と寄り道するから」
僕が何も言わずに黙っていると、カイはすぐにいつもの調子に戻り、颯爽と教室を出て行った。
いつもの僕だったら、【死ゅ語霊】のくせに友達って誰だよ!
ぐらいは言っていたはずなのに、頭の中がグチャグチャで一言も発することが出来なかった。
何なんだ、何なんだよ……。
僕は、何かを忘れているっていうの?
カイとは初対面じゃないの?
わからない、わからない、わからない……。
いくら考えても答えが出ないように、何も頭に浮かんで来ない。
でも、胸にわだかまりが残っている感覚は一体……何なのか。時々見せる、カイの不安そうな顔は何なのか。
「……僕は……」
僕は、何かを見落としているのかな……。
結局、下校時刻のチャイムが鳴るまで、僕はずっと教室に一人で立ち尽くしていた。
僕が死ぬまで、後四日……。
「――ということで、こんにゃく役は、お兄ちゃんとカイさんに決定!」
妹の彩音の元気な声で、僕は現実に引き戻される。
カイと会話した次の日の放課後。僕が所属している散策部は、一応集まり場所の理科室に集合していた。
メンバーは、僕、カイ(本日より新入部員として参加)、妹の彩音、同じクラスの三上さん、そして家が隣のいのりさんの計五人。
確か、文化祭の出し物としてお化け屋敷をすることになり、役を決めているところだったように思う。
散策部で何故お化け屋敷なのか疑問に思うところだけど。
「お兄ちゃん!」
黒板の前に立っている彩音は、僕の方を指差す。