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しゅごれい  作者: 千世
第十章 朝野いのりサイド
40/54

(19) 【死ゅ語霊】と昔

久し振りの更新です。

もう一つのモノクロームという作品が完結したので、これからはこっちを書いて行こうと思います。

……多分(予定とも言います)。




「お待たせ~」

 銀行に行っていた三上さんは、無邪気な笑顔で私たちのところへ戻って来た。

「銀行が混んじゃってて……ごめんね」

「良いって、良いって。な、いのりん」

「う……うん」

 その後もカイは三上さんと面白そうに会話していたけど、私はそれどころじゃなかった。








 カイの言葉が、頭の中をぐるぐる回っていく。まるで木霊するかのように、何度もカイの言葉が繰り返される。

 きっと本気じゃない。

 ううん、さっきの会話はきっと本気だった。

 二つの考えが私の中を支配していく。

 私とカイは、仲良しだった。

 でも、それは昔の事。カイが死んでから私は成長したし、カイもきっと同じ。だから、気持ちなんて……わからなくても当然。

 けど、それで良いの?

 このまま、カイの事を放置して、学園生活を送っても良いの?

 カイは、もう……居ない人なんだよ?

 この世界に、居てはいけない人なんだよ?

 なのに、私は……。

 私は、一体どうすれば良いの? カイの言いなりになって、夜宵の恋愛の邪魔をしていれば、解決するの?

 わからない……。

 でも、きっとこのままでは駄目なんだと思う。

 ちゃんと考えなくちゃ。

 カイが、この世界に居る意味を。

 私のところへ来て、邪魔する意味を。










「……って事なんだけど、良いかな?」









「え?」

 しまった。

 全然、話を聞いてなかったよ……。

「ご、ごめん、もう一回言ってくれる?」

「いのりん、ちゃんと聞いとけよ~。バアさんじゃあるまいし」

「余計なお世話」

「大丈夫? ボッーとしてた?」

 三上さんは、心配そうに私の顔を覗き込む。

 もしかして、病人扱いされてるかも……と思った私は、すぐさま否定する。いくらライバルでも、友達なんだし、心配させちゃ駄目だよね。

「だ、大丈夫。ちょっと、考え事してただけだから」

「そう?」

「大丈夫だって、いのりんなら」

「どういう意味かな……」

 何か、無性に腹が立つ。カイがちゃんと話してくれないから……!










「銭湯に行こうって、言ったんだよ」









「銭湯……?」

 何故に、銭湯?












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