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しゅごれい  作者: 千世
第九章 涼風夜宵サイド
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(18) 【死ゅ語霊】と床

話をまとめる為に、今回はちょっとファンタジー系になりました。




「お前さ、空気ぐらい読んで帰れよ」

「空気なんか読めまセン」








 また、いつもの空気だ。

 いつもの……カイだ。

 じゃあ、さっきのは一体何だったんだ……? 僕の思い過ごしで、何もなかった? それとも、カイの本音?

 後で問いただすと決めたんだ。

 これ以上、考えるのはやめよう。考えれば考える程、今のカイとのギャップで、さっきの事が幻のように思えてしまうから。







「もう、まどろっこしいデス。私を無視するなんて許せまセン。こうなったら、勝手に連れて行くまでデス!」








 【守護霊】は僕の方を向き、親指と人差し指を擦り合わせ、パチンッと指を鳴らした。

 すると、僕の身体は指一本も動かせなくなり、その場に固まる形になった。そして、少しずつ足の方から床に沈んでいく。

 え?

 な、何?

 な、何で……ここに来て、ファンタジー満載……みたいな事になってんの!

 待って、待って、待ってよ。これって、冗談だよね? 夢だよね? 幻だよね? だって、人は床に沈む訳ないし!

 だけど、抵抗する事が出来ない。

 夢じゃ……ない。







「…………っ」








 声まで、出なかった。

 これでは、助けを求める事さえも……もう、無理だ。

「足掻くのはやめておいた方が良いデス。さあ、行きまショウ。きっと、楽しいデスヨ? では、サヨウナラ。カイ――――」







「夜宵、本気で助けて欲しいって思ってるか?」







 まだ何か言いたそうだった【守護霊】の言葉を遮り、カイは僕の前でしゃがみ込み、僕に言葉を告げる。

 その間にも、どんどんと……しかしゆっくりと沈んでいく。

「――――っ!」

 助けて欲しい! 助けて欲しいよ!

 と……いくら心の中で叫んでも、声になってくれない。表情でも、表す事が出来ない。これでは、カイには届かない……。

 もう、終わった……かも。

「しょーがねーな。助けてやるよ。その代わり、またブツブツ文句言うなよ。オネーさんと行きたかったとかな!」

 言わない!

 言わないから……早く!

「な、何をする気デス?」

「何って、お前には消えて貰うんだよ」

 カイの手のひらに光の玉のようなものが現れる。やがて、その光は大きくなり、教室中を包み込んだ。









「じゃーな。【守護霊】さん」











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